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I hate a HERO!!

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「俺が……“ヒーロー”に…?」
「そう、それが一番簡単なことよ」
「そんなっ俺はヒーローなんかっ「恵登くんを助けたいんでしょ?」
「それは…っ」
「目的地に着きましたよ」
世綴真さんが言う。
「えっいつの間に」
「コンピュータが動かしてるんだよ」
そう言って笑った。
トレーラーの窓を覗けば多くの報道陣と野次馬が集まっていた。
「(無理無理無理っあんなところに出ていけないっ)でもっ…」
恵登はいつも俺を助けてくれるのに…。
その時、バリンッと廃ビルから何かが壊れる音が聞こえた。
その瞬間に、俺の中でも何かが壊れた音がした。
「コレどうやって変身すんの!」
「中央のボタンを押すんだよ。他にも機能はあるけどいまはそれだけで充分だろ。それと…」
世綴真さんがスケボーのようなものを俺に差し出した。でもそれには本来あるはずの前輪と後輪がない。
「 “君専用の特別製”だよ。あの高さなら楽勝だ」
そう言って廃ビルの、ちょうど音のした階を見た。
「っありがとうございます!」
そうお礼をいうのが遅いか早いかすぐにベルトのボタンをためらいなく押してソレを世綴真さんの手からかすめ取るように受取ってトレーラーを飛び出てすぐソレに乗って地面と暫しの御別れをした。
背後で母さんたちが「頑張って」といった気がした。
急な浮力に落ちそうになったが、その場でうまく軌道修正をした。
こちとらだてに物心ついたころから特訓という名の地獄を体験してるわけではない。これくらいならわけない。
そんな俺を見て下の野次馬や報道陣がざわついたが今はそんなこと気にしてられない。ちょうど割れた窓から見えたのは柱に縛り付けられて今にも殴られようとしている親友だった。

「俺の…」

窓際にいて俺に気づいた雑魚にスケボーを思いっきり蹴りつけるようにスライドさせてそ勢いのままそこから跳躍して親玉らしきを思い切り蹴りつけた。


「俺の親友に何しようとしてんだよ!」


これが英雄がここに来るまでに至ったことだった。


作品名:I hate a HERO!! 作家名:727