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グリーンオイルストーリー空の少年たち 2

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レインは、カスターに抱きしめられながら、幼いころの記憶を思い出そうとした。

郵便船があるデッキでは、溶接をする男がいた。
ディゴが現れると、作業をいったん止めて、片手をあげて挨拶をした。
「テスの出番ありとは、はでにやられたな。」
「底もやられてるよ。積乱雲を押し付けられて、下からの奇襲攻撃を受けたんじゃないか。焦げ目の線が走ってる。」
「雷か。下から現れて横ぎられる際、アクロバット飛行の攻撃でやられたのか。」
「チェーンソーでやられてるよ。こりゃ、脅しだな。派手に傷つけるのが目的みたいだ。」
「チェーンソーなら、タンクをやったら仕舞いだな。落とさなかったのは、見せしめか。」
溶接工のテスは、作業を再開し、ディゴは作業場で道具を取り出し始めた。
テスが、チェーンソーで引き裂かれたところを部分的に溶接で取り外すと、それをもって、溶鉱炉に入れた。
ロブがデッキにあらわれると、ディゴは外をながめた。
「おやおや、雨が降りそうだな。また、やらかしたのか。」
ロブは眉をひそめた。
「スタンドフィールド・ドックは国家認定修理工場だって、知ってたか。ディゴ」
「そんなお堅いとこだって、知らなかったな。闇の運び屋をしていたお前がいるここが。」
「余計な情報は漏らすなよ。」
そういうと、ロブは手にしていたビンを台の上に置いた。
「ここは、黒衣の民族《カラス》の領空飛行禁止区域だぜ。やりあったぐらいで脅されたら、たまんないな。」
テスが溶接を始めようとしたら、機体が揺れた。
中から、モナがあらわれた。
「指定居住区に不満があるのよ。あそこには豊富な水が流れてこないからね。」
手にしていた紙袋をロブにむかって放り投げた。
「見張り役が転寝して、接近されているのを見落としたのよ。それは隠し財産を没収したの。」
ロブが紙袋の中身をみると、燻製の魚とチーズが入っていた。
「あてがあると、やる気もでるな、ディゴ」
「荷物を整理したら、速達便が多数合ったわ。前言撤回で、明日の朝までに頼むわ。」
「ヘイヘイ。やらせてもらいますよ。」
ディゴは溶鉱炉から真っ赤になった鉄板を出すと、めくれた場所をめがけてハンマーを打ちはじめた。
「ロブ、弟を泣かせるのは卒業したんじゃないの。塗装の渇きが悪くなるじゃない。」
「レディ・ロマーノ、ごもっとも。ご執心のロブから、レインに鞍替えしますか。」