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グリーンオイルストーリー空の少年たち 2

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「あいつは色目使える性質《たち》じゃない。あいつの外見で餌がつれるなんて、ロクなもんじゃないだろう。」
ジェイは、色を調合していて、空缶に色をいれて、棒で混ぜていた。
ディゴは、作業着に着替えてて、分厚い手袋はめていた。
自分の腕の太さぐらいのハンマーと鉄の棒をもつと部屋を出て行った。

ドックの展望台に、ロブが電動昇降棒からあがってくると、ジリアンが伝票を持ってあらわれた。
「ジル、お前、練習サボっただろう。」
「濃霧で練習できないと思ったからだよ。レイニーが操縦したがっているんだから、レイニーが練習すればいいんだよ。」
「何度も、言っただろ。お前に度胸があって、レインには度胸が無い。弱虫にアクロバット飛行は向かないんだ。」
ジリアンは11歳で操縦するには体力が追いついていなかった。
ジリアン自身は、練習するのも嫌いなら、体を鍛えるために運動するのも嫌いな少年だった。
息を切らせたカスターが現れた。
「レイニーが練習すれば、度胸だってつくようになるだろう。」
「一瞬の判断間違いが命取りになる。軽量飛行を目的とするアクロバット飛行は一人乗りと決まっている。空を飛ぶだけを楽しむために二人乗りのアクロバット飛行なんてないんだよ。」
ここでのアクロバット飛行には一人乗りと二人乗りがあるが、二人乗りとは一人が操縦席から離れ、機体に体を固定させて作業をする危険な状態で、その必要性は飛行したままの空挺修理や人命救助などがある。
「アレキサンドリアを飛行させれば、黒衣の民族《カラス》に付きまとわれるのは必須。アクロバット飛行のエアプレーンを配備するのは条件だ。」
「ロブ、まだ、あきらめてないのか。アクロバット飛行の操縦をジルにやらせて、攻撃要員はだれがするんだよ。」
「俺がするさ。」
「アレキサンドリアが撃沈された時、顔に傷つくって、体をぼろぼろしたって言う話じゃないか。今度は命落とすぞ。」
「死んでもおかしくなったが、幼い二人だけ残すわけに行かなかった。俺が生かされたことはこいつらを一人前にすることだろう。」
「お前が生かされたのは、遣り残したことがあるからだろう。」
白髪の老人がレインとともにあらわれた。
「チビたちを一人前にすることだけじゃないさ。」
老人は、ラゴネ・コンチネータというロブたちにとって、叔父にあたるが、ドックではグリーンオイルの生産責任者である。