小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

グリーンオイルストーリー空の少年たち 2

INDEX|3ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

ついたての手前にレイニーがホースの金具に取り付けられたレバーに手をかけると、ついたての向こう側に男が現れた。
カスター・ペドロという男で、セミロングの黒髪に黒ぶちめがねに三白眼。
レイニーに目配せすると、ついたてから先に伸びる蛇腹のようなホースの先を左脇にかかえて、デッキの方へ向かっていった。

赤い空挺がドックにドッキングすると、カスターが立っていた位置にちょうど空挺の燃料口があった。
どうやら、この赤い空挺は常連さんのようだ。
蛇腹のホースを燃料口に取り付けると、カスターは右手を上げた。
レインはレバーをまわして固定し、外れてないか確認すると、右手を挙げた。
レインの右手が上がったのを確認すると、ジリアンはタンクのレバーを体重をかけて下におろした。
大きなホースにグリーンオイルが注ぎ込まれて、波を打つ。ついたてを通り抜けると、蛇腹で上下にはねた。
タンクレバーの横にデジタルで吐出量が表示されるのをジリアンは確認していた。
赤い空挺から、タラップがおり、中から、起き上がりこぼしの人形のような赤いつなぎをきた女が降りてきた。
女がドックのデッキに進み、歩き始めると、体全体が左右に揺れると、デッキは上下に揺れていた。
電動昇降棒でロブが降りてきた。
「ハンサム坊や、わたしに挨拶のキスをしにきてくれたのかしら。」
女はロブに向かって両手を広げた。
「相変わらず、ガキ扱いか、レディ・ロマーノ」
「顔に傷をつくったぐらいで、オトコをあげたつもりなの?」
女は、モナ・ロマーノという3人の部下を従えた郵便船の船長である。
デッキに下りたロブは後ろ手にカスターを呼び寄せた。
首をかしげてカスターが近づくと、ロブはカスターの左腕を握って引っ張り、前に突き出した。
「あ〜ら、わたしはロブがタイプなのよ。でも、黒髪の坊やもいい感じ。」
カスターは突き出された勢いでモナの胸元に顔をうずめてしまうと、モナはカスターを抱きしめた。
「うぐぅ、うぐぅ〜」
モナがカスターを離すと、ロブは、赤い空挺の機体に近づいた。
「ずいぶんと、機体に傷がいってるじゃないか。」
「黒衣の民族《カラス》にやられたわ。郵便船ってわかっても人質にしようと捕縛するのよ。見境が無いわ。」
「そっちも相変わらずか。」
「命あってのお仕事。わたし、引退して若いツバメでもはべらせて暮らそうかしら。」