星の降る夜
逆につきせは口を硬く閉ざしてしまう。
遊べないと言ったら、きっとけいがは残念がるだろう。
普段思いきり体を動かして遊ぶことのできないけいがは、つきせがこうして遊びに来ることを本当に楽しみにしているのだ。
それにつきせはまだけいがに告げていない。
けいがの命の期日が差し迫っているということを。
「なあ、どうしたんだつきせ? だめなのか?」
「え、あ、ううん、大丈夫」
けいがの呼びかけにはっとして顔を上げると、けいがの顔がすぐ目の前で、とっさにつきせはそう言ってしまう。
言ってしまって、つきせはすぐに後悔した。
これで本当は遊べないなどと言ったら、けいがが気を落とすのは目に見えていた。
今だけなら。
星は遊び終わってから、狩ればいい。
つきせは、この数日間ずっとそうやってけいがの星を狩ることを先延ばしにしていることを忘れることにした。
「うん、行こう」
結局つきせは差し出されたけいがの手を取った。
病気のせいで細くなってしまった、けいがの白い手。
つきせはけいがをさそい、窓から夜の空へと飛び立つ。
つきせたち星の住人が住む星の海へと。