セカンドラブ・シンドローム
既に午後一時を回っていて、ひどく空腹だった。田舎時間で電車が来るまで四十分以上もあったから、駅ビルの中華料理店に入った。
店内に掛けられた写真の中で、店主と周富徳がぎこちなく握手していた。『しょう油ラーメン』を注文して、写真を眺めながら食べた。
最近のブームにあっては『魚介系あっさり味』とでも評されそうなこの土地独特のしょうゆラーメンが懐かしかった。東京ではなかなか出会えない味だ。歯ごたえの良い麺をすすりながら、僕は周富徳と、優子を思い出していた。
作品名:セカンドラブ・シンドローム 作家名:めろ