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ほのむら伊流
ほのむら伊流
novelistID. 498
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竹草少女

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 何であれ、結局は自分の怒りが引き起こした事なのだろうから―――それでもやはり「悪いのは俺か?」と考えている自分を捨てきれないでいるのだが。
 だが、と彼は言葉を少し濁した。
「本当に、あれは流生(るい)の持ってきた“種”のせいなのか?種が俺に“役割(キャラクター)”を与えて、あんな化け物が出てくるようになったのか?」
 聡雅としてはどうにもそのことがいまいちイメージできないし、確信も持てない。
 彼が魔女(ラビ)から受けた説明はこのようなものだった。

「“種”が何なのかそれ自体は定義による。遠い宇宙の彼方からの飛来物と考えれば、それは地球外生命体なのだろうし、しかし引き起こす現象やこいつらが元々住む世界から考えれば、古来より伝奇に記された魔や妖怪の類と考えることもできる。あるいは魔女や悪魔と同様の類の何かと捉えることも出来る。だが重要なのは、それがどう定義されているかではなく、どういう性質のものかだろう。そうした考え方に沿って考えると、この“種”はいわば漂流して自己繁殖・増殖していく一個の生命体であり、広大な世界の中での食物連鎖や自然淘汰の中で生きるひとつの種族だという事は分かっている」
「ひとつの種族で、ひとつの生命体ねえ…」
「当然、そうした世界法則に則って生きている以上、こいつらには天敵も存在する。わたしが君に伝えたい“きたるべき危機”とはその事だ」
「つまりあの“種”は天敵に狙われてるってことか。そうするとさしずめあんたらが言う俺の“役割”っていうのは」
「ご明察。君の役割は、その天敵から種を守る事、ただその一点に尽きる」
「いまいちイメージがわかねえなぁ」
「具体的にどのあたりが分からないんだい?」
「結局“種”ってなんなんだ?流生が言うように宇宙人、つまり地球外生命体なのか?それとも妖怪かなんかなのか?」
「君たちの言う“宇宙人”と“妖怪”はどう違うのだと思う」
「そりゃ宇宙人は…地球の外に住んでいる奴らのことで、妖怪は化け物のことだろう」
「そうかい。なら、地球の外に住んでいて化け物なら、それは宇宙人であり、妖怪なのかい?」
「いや、それは宇宙人だろう」
「何故だい?」
「だって、地球の外に住んでいるわけだからさ。妖怪は地球に住んでいることが前提だろう。発祥が地球だからよ」
「ふむ、そういう考え方もあるか」
「なに納得してんだよ」
作品名:竹草少女 作家名:ほのむら伊流