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ほのむら伊流
ほのむら伊流
novelistID. 498
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竹草少女

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 こういう事を考えることこそがまさに、流生が彼に対して「意外に真面目に考える。しかもどうでもいい事を」と述べる所以であり、そこが彼の長所であり短所でもあり、同時に弱点でもあるのだった。
 その弱点を、彼はまさに突かれてしまったのだった。
 あまりに鮮やかに突かれてしまって、彼は不覚にもほんの少し感情的になってしまった―――恋路の手練達はそういった反応を見せる者を「産(うぶ)な奴だ」と冗談交じりに笑うし、きっと普段の彼も似たような笑いを浮かべてしまっただろう。
 だがそのとき彼は当事者であったし、馬鹿みたいな事を生真面目に考える彼のどこか堅い思考は自身が自覚してあまり好きになれていないところであったから、予期しない形でそれを露出させられたとき、彼の滅多に動かない感情がうねるのには充分な効果があったのだ。

作品名:竹草少女 作家名:ほのむら伊流