竹草少女
「普通そういうときは理屈のない自分の感情の方を疑うもんだがな、あんたは随分と自信満々に生きてるようだ」
「言ってる事がサッパリ意味分からんのですけど」
先ほどとは逆に、今度は流生がぽかん、とする。
だがこれについては聡雅の方は深く説明する気はないようで、彼は笑いながら黙って流生に背を向ける。
「ちょっと?」
唐突に話を切られて不満げに立ち上がった彼女に、聡雅は親指でついてこい、とジェスチャーで示す。
「土、いるんだろ。来いよ」
むくれたまま、彼女はいつの間にか鼻に馴染んでいた堆肥の匂いのする扉をぱたんと閉め、来たときよりも格段に重くなった植木鉢をよたよたと持ってついていくしかなかったのだった。