ゼロ
積乱
存在の下痢のかなたで光化する睡眠の数々。赤い睡眠はいずれ被殺者の流す血として大地を吸収する。宇宙の移住のはしくれのタンポポが、葉の代わりにナイフで飾られる。ビルの鉄筋は爆薬であり、圧力の襞に生命を逃がす。殺意は試験科目であり、憎しみは面接で量られる。荒れ狂う睡眠に都市は翻弄され、無数のナイフを経由して人は宇宙の下痢となる。
太陽の綿毛が飛び交う朝方、愛の柱がひそかに数を増やす。安産された朝を祝うために列を作る人々と、そのそれぞれの人を祝うために列を作る水滴。木々の結び目はほどかれ、親密な色彩がゆらぎを規律する。空間が接ぎ目ごとに繁栄を続け、木々と太陽の重婚を宣明する。
乱獲により記憶は絶滅した。残るのは記憶の記憶のみだ。処刑者を処刑する連鎖により人類は滅亡するだろう。他人と一定の距離になると距離が爆発する、それが怖くて人は外出できない。論理法則を維持しているのは神の悪意であり、論証において神は何かを殺している。下痢が観念的に美しいという事実が醜い。