マ界少年ユーリ!
「実は……アタシのお父様は偉大な魔導士なのですが、その父が病で床に伏せていまして、もう長くないらしいんです」
「それは……お気の毒に(そんな辛いことを背負っていたなんて)」
「それでお父様はアタシにも偉大な魔導士になって欲しいと……アタシ、だから絶対に立派な魔導士にならなきゃいけないんです。ノースでも名高いクラウス魔導学院を卒業したら、きっとお父様も喜んでくれるはずなんです!(まあ、全部ウソだけど)」
ウソかよ!
ユーリの熱演にまんまとルーファスは騙された。しかも、感動してグルグル眼鏡の奥で涙を流している。
「わかった、どうにかするよ。本当は簡単に編入できないけど、きっとカーシャならどうにかしてくれるよ。さあ、行こう!」
ルーファスはユーリの腕を無理やり引っ張って歩き出した。
作戦の第一段階は成功したのだが、ユーリはとっても不安をだった。
「(カーシャって、さっきあったオバさんだよね……ルーファスと再会したときには、いつの間にか姿消してたし。あんまり信用できない)」
それでもとりあえず行くしかなかった。
作品名:マ界少年ユーリ! 作家名:秋月あきら(秋月瑛)