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しらじら

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僕には、一瞬なのか暫くなのかもわからない時間でした。
何となくの照れくささに視線を外した時間…。
「あれ?」
気がつけば、彼女の姿は見えなくなっていました。
その後ろ姿も印象に残らないくらい…… 恥ずかしく気が高まっていたのかもしれません。
駅へと向かう僕は ただただ残念な思いを引き摺って歩いているような気がしました。

「あれ? これなんだ?」
白いような半透明のような紐状のものが ズボンの裾に巻きついているようでした。片足をやや浮かせ、振りほどくように動かすと 消えてなくなりました。
「未練の亡霊か!? なんてな」
馬鹿げたことを口に出してしまったと苦笑いでした。
冷たい空気に やや汗ばんだものがそう見せていたのかもしれません。
しかし、不可思議なものという印象でした。

マンションの部屋に帰った頃には、寒さにすっかり体が冷えていました。
住まいから一番近いコンビニで買ったおでんのカップをテーブルに置くと、電気ポットで湯を沸かし、マグカップで焼酎のお湯割りとともに夕飯にしました。
コンビニのレジ台横のテーブルに並んでいたクリスマスカラーで飾られたケーキはやめて、チキンの揚げ物をツマミにもう一品。クリスマスの定番、ローストチキンは パーティでもないし、男のひとり暮らしにはちょっとむなしいかどうかはわからないが、今夜は食べる気分でも 腹具合でもない。それだけの理由でやめました。
テレビをつけたが、だだ(旨いですねぇ)と繰り返す芸人の姿に「自分の稼ぎで食ってるのか」とイヤミを言って消した。気持ちが疲れているわけではないが、あの彼女との想い出の空気を壊したくなかったのかもしれない。
いつしか僕は眠りに落ちたらしく、気付けば 呑みかけの焼酎がそのままになっていました。
(このままでいいや)重たい体を布団に横たえて眠りにつきました。

作品名:しらじら 作家名:甜茶