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人死に

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 というかも知れないが、実際に指揮を取るべき政府にも、その具体的な対策が取れるわけもなく、国民に丸投げしてしまい、逃げ出すに違いない。
 ちゃんと国民のためにできるくらいであれば、
「ここまで放っておく」
 ということだってないだろう。
 真剣に向き合っていれば、自分たちの私腹を肥やすということよりも、
「未来の人類への希望」
 ということを行っていたに違いない。
 つまりは、
「どうせ、自分たちが死んでしまえば、後は先の人類が考えること」
 ということで、放っておいたのが、今の現実ではないか。
 だから、いくら政府が、
「少子高齢化」
「地球温暖化」
 のための対策ということであっても、
「結局は何を言っても、国民の心を打つわけはない」
 ということだ。
 国民は皆、
「どうせ、自分たちが死ぬまで」
 ということを分かっているのだから、
「地球の延命はない」
 と考えた時点で、
「子孫を残すのは、残された方がかわいそう」
 ということで、
「子供は作らない」
「子孫は残さない」
 ということを考えるようにいなったのだろう。
 つまりは、
「自分さえよければ」
 という社会にどんどんなりつつあるということだ。
 だから、
「皆が個人にばかり目を向ける」
 ということになるから、その犠牲ということで、
「精神疾患の人が増える」
 ということになる。
 結局、
「社会が望む人材が生まれるわけはない」
 ということで、
「負のスパイラル」
 ということになるのは、分かり切っているということであろう。
 ただ、待合室から通路に向かう時、
「人間には自浄効果がある」
 ということに気が付いた。
 それは、
「彼に、精神疾患がある」
 ということで、特別な感情が芽生えたのかも知れないということになるのかも知れないが、その考えがあることで、彼にとっての、
「負のスパイラル」
 というものが、
「正のスパイラル」
 というものに転じたのかも知れない。
 言い方を変えると、
「性のスパイラル」
 といってもいいだろう。
 だから、彼の中で、
「俺が生きている間」
 という前提は変わらないが、
「少なくとも自浄効果がある」
 ということで、自分の子供や子孫に、
「期待する」
 というのも悪いことではないのではないだろうか?
 今から思えば、
「そのことを教えてくれた」
 というのが、
「自分が精神疾患に陥るきっかけ」
 となった、
「目の前で自殺を試みた」
 という男ではなかったか?
 と思うのだった。
 つまり、
「あの男は、決して犬死ではなかった。少なくとも、この俺に、自浄効果というものに気づかせてくれた」
 ということだからであった。
「俺も死ぬ時は、大往生がいい」
 と感じたのだが、
「それ以外のことで死ぬことになるのであれば、犬死というものだけは、勘弁してほしい」
 と感じるのだった。
 そうでなければ、もし、今の人類が、数世代生き残っているとすれば、今でいうところの、
「犬死」
 という言葉は、
「人死」
 と言われるようになっているのではないだろうか。
 その時の人類というのは、身体も肉体も、ロボットであり、AIなどの、人工知能になっているはずだからである。

                 (  完  )
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作品名:人死に 作家名:森本晃次