手&手(てとて)
紅葉の並木を歩く仕事を終えた帰り道。
手を繋ぐ。
そんな言葉が浮かんだまま 歩いていることにふと気付いた。
誰と並んでいるわけでもなく、その光景を見たわけでもないのに人の脳は時に不可思議なことをしでかす。
考え始めると 面白くなってくる。
他に考える事もないから これを今日の自己空想の話題にしてみることにした。
普段の生活や特に勤務の就業中に 誰かと手を取りあう、繋ぐといった行為があるだろうか?
(そんなことは 運命に導かれることよね)と言葉が頭の中を散歩してクスッと笑えた。
でも、もしも予想の域になく繋いだ手が 憧れる人・推しだったり、恋人だったらどんな思いなのか。
「んもう、この手洗わなぁい」なんて言っているのだろうか。またクスッと笑えた。
フローラルの匂いじゃなくて、汗や体臭、それとも香水の香り、それとも昼に食べたフライドチキンの匂い、それとも・・どんなニオイでも受け入れているのだろうか。
握手は右手と右手?
手繋ぎならば、右手と左手、それとも 左手と右手。 あ、どっちも同じ。
恋人ならば、お互いが違う側の手を繋いで 四つの指の谷をお互いが感じてしまう繋ぎ方かもしれない。
多くの恋人がこんな繋ぎ方をしていても 私は 手の中に包み込まれるような繋ぎ方も憧れる。初めて親の大きな手のひらに 包み込まれた安心感のような慈しみを感じる。
彼の手のひらは前から 私の手ひらは後ろから添えるように触れているだけの手繋ぎもいい。
彼は 手が離れないように親指と四本の指の間にぎゅっと支えているのに 私のやや短い小指だけはみ出している。(あぁ、いいなぁ・・後から繋いでもらった人差し指と中指と薬指に訊いてみよう・・どうだった?って)親指はつかず離れず彼の親指にくっついている。
あったかい?
私、手汗かいてないかな。ちょっぴり恥ずかしい。
寒い季節なら ポケットの中に遊びに行けるのだろうか。
あぁ、妄想なんて・・笑える。



