手&手(てとて)
生あったかい。
その手に触れたときに感じた第一印象だった。
(ん?)違う。好きじゃない。
私は 手のひらがこわばった。でも、今離すわけにはいかない。
仕事上、このひと手はしっかりと結ばなければいけないと改めて握り返した。
繋がれた右手と右手。その手を包むかのように添えた私の左手は少し浮いていた。
お互いに離した手。
私の手のひらから冷めていく体温のかわりに 安らぎが戻ってくる。
その手が遠ざかって 私ひとり、そっと嗅いだ手から煙草の臭いがほんのり・・とはいえない。
(んー)やっぱりこのままでは何かに浸食されてしまう。
鼻腔の奥に沁みついていくようだ。
この失礼な気持ちを叱咤しているかのように鼓動が打った。
大丈夫。大丈夫。
洗面所のハンドソープで洗い流した。
二、三度荒い鼻息をして追い出してみるが においの記憶に残っているようだ。
気にしないでおけば 忘れるかもしれない。
念入りに掌を擦り合わせ、触れていない指の間まで一本一本泡に溶かしていく。
やっと水の冷たさを感じて顔を上げ 鏡に映る顔つきはいつも通りの表情の私。
大役に緊張し、口角を上げて柔らかげに微笑む目元の顔つきは もう緩んで見えた。
脇に挟んだタオルのハンカチで水滴を拭い 洗い落とせたと感じた。
そっと鼻に寄せた手からフローラルの匂いがほんのり。
いつになく不思議な世界を感じてしまった。
その手に触れたときに感じた第一印象だった。
(ん?)違う。好きじゃない。
私は 手のひらがこわばった。でも、今離すわけにはいかない。
仕事上、このひと手はしっかりと結ばなければいけないと改めて握り返した。
繋がれた右手と右手。その手を包むかのように添えた私の左手は少し浮いていた。
お互いに離した手。
私の手のひらから冷めていく体温のかわりに 安らぎが戻ってくる。
その手が遠ざかって 私ひとり、そっと嗅いだ手から煙草の臭いがほんのり・・とはいえない。
(んー)やっぱりこのままでは何かに浸食されてしまう。
鼻腔の奥に沁みついていくようだ。
この失礼な気持ちを叱咤しているかのように鼓動が打った。
大丈夫。大丈夫。
洗面所のハンドソープで洗い流した。
二、三度荒い鼻息をして追い出してみるが においの記憶に残っているようだ。
気にしないでおけば 忘れるかもしれない。
念入りに掌を擦り合わせ、触れていない指の間まで一本一本泡に溶かしていく。
やっと水の冷たさを感じて顔を上げ 鏡に映る顔つきはいつも通りの表情の私。
大役に緊張し、口角を上げて柔らかげに微笑む目元の顔つきは もう緩んで見えた。
脇に挟んだタオルのハンカチで水滴を拭い 洗い落とせたと感じた。
そっと鼻に寄せた手からフローラルの匂いがほんのり。
いつになく不思議な世界を感じてしまった。



