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海野ごはん
海野ごはん
novelistID. 29750
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4 金の買取屋

 翌日、三人は街の金買取屋に入った。
 少しばかりだが金塊の他に砂金を掘り当てていたからだ。
 壁には「高価買取」「即現金」の文字。

「昨日の金を売りたい」
 信二が言う。

 店主は顕微鏡で金を覗き、首を振った。

「これは買えない」
「なぜです」
「違法採掘区域の金だ」
「……え?」

「座標、動画で上がってる」

 二人は同時に山ちゃんを見る。

「え、ライブ配信……」
「……」
「……すみません!」

 店主はため息をついた。
「警察に行かれる前に、これを持って帰りなさい」

 差し出されたのは、昨夜奪われたはずの袋だった。

「強盗、うちの常連だ」
「え」
「違法金を奪って、うちに持ち込む。だが今回は……」

 店主は少し笑った。

「金が本物じゃなかった」
「……」
「ほとんど黄鉄鉱だ」



5 どんでん返し

 帰国前夜。
 三人は丘に座り、沈む夕日を見ていた。

「結局、一攫千金は無しか」
 信二が言う。

 山ちゃんは何も言わず、ポケットから携帯を出した。
 山ちゃんの動画再生数が爆発していた。広告収益が見込まれる数字だった。

「……これ」
「え」
「今度の動画で、俺たち、黒字かも知れないっす」

 信二は笑い、すぐ顔を伏せた。
 山ちゃんは携帯を持つ手が震えていた。

しかし金塊を掘り当てられなかった事に3人は少し沈んでいた。

「達夫さん、もう掘らないんですか」
「掘るさ」
「どこを」
「また楽しい人生を」





 日本に戻って数か月後。
 川原で、達夫は一人、つるはしを振っていた。

 信二は会社勤めを始め、山ちゃんは登録者十万人を超えた。

 達夫は小さな金色の欠片を拾い上げる。
 本物かどうかは、もうどうでもよかった。

 空を見上げる。
 あの赤い大地と、夕日を思い出す。

「……楽しかったな」

 誰もいない川原で、達夫はつぶやいた。
 夕陽で河原は黄金色に染まっていた。

「俺の人生、いつもゴールドだな」




作品名:GOLD 作家名:海野ごはん