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静岡のとみちゃん
静岡のとみちゃん
novelistID. 69613
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑭西日本の旅(北部九州)

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 N君の家の玄関で、彼の嫁さんが出迎えてくれた。彼女はサークルの後輩で、N君と同様、約40年振りの再会だった。N君からは、今夜は泊まるように勧められ、その申し出はたいへん有難く、そうすることにした。
 私からの最初の電話を受けたN君は、色々と考えてくれていたようで、先ずは昼食、そして浅海井周辺の名所旧跡を巡り、夕食は佐伯市街の料理店に向かうことになる。

 先ずは、彼が運転する車で、近くの魚屋がやっている食堂「海鮮館」に連れて行ってくれ、海の幸の昼食をご馳走になった。
 佐賀関で「関アジ」や「関サバ」を食べなかったこともあり、「海鮮丼」を注文した。
 丼には色々な魚が盛り付けられていて、特に大きいものが鰤(ブリ)で、新鮮過ぎるため、これまでに経験していないレベルの歯ごたえがあり、他の魚も含め、味は文句なしに美味かった! この感激に「関アジ」や「関サバ」のことはすっかり忘れていた。

 昼食後に先ず案内してくれたのは、眺望がすばらしい「蒲戸崎展望台(カマドザキ・テンボウダイ)」だった。佐伯湾は北側の四浦半島(ようら・はんとう)、南側の鶴見半島に囲まれる水域で、この展望台は北の四浦半島の先端部分の高台にあり、四方の展望が開けている。ただ、そこまでは約600mの勾配がきつい山道を歩いて登らなければならなかった。
 日頃からウォーキングをしている私は問題のない登りだったが、N君は普段は鍛えていないのか、登っては休んで、登りを再開するもまた休んでを数回繰り返しながになったが、やっと展望台にたどり着いた。
 展望台は木造で、かなり古いことを多少心配しながら階段を登ると、あちらこちらにある鳥の糞の臭いが気になりながらではあったが、登り詰めた展望台の上からは360度、最高の景色が広がっていた。
 北方面には遠く、佐多岬半島の風力発電機群がかろうじて見え、午前中に訪れた佐賀関半島も見えた。足元では四浦半島の北側部分や島が並んでいた。
 東側は豊後水道を挟んだ愛媛県の宇和島方面だが、霞んではいたが、四国の西海岸だと分かった。
 南側は、佐伯湾を取り囲む風景が見え、その海側には、雲間から太陽光のスジが降り注ぐ「天使の梯子」が幾つも見え、海面はその部分だけが光っていた。

 次に訪れたのは、四浦半島の南側の付け根あたりにある「豊後二見ヶ浦(ぶんご・ふたみがうら)」の夫婦岩、毎年12月には県内外から約1,000人が集まり、大しめ縄が張り直されるイベントが約50年も続いているという。ここは初日の出のフォトスポットだ。
 この風景を見ていると、三重県伊勢市の「二見浦(ふたみうら)」の「二見興玉(ふたみおきたま)神社」のしめ縄でつながった有名な夫婦岩のことを思い出した。そこは一度だけ、パラモーターで上空から見下ろしたことがある。

 11月のその日は絶好のフライト日和だった。松阪市の松名瀬海岸をテイクオフして、伊勢湾に沿って南下して「二見浦」の夫婦岩を目指した。途中で、宮川の河口と伊勢神宮の内宮の横の五十鈴川の河口を連続して横切るのだが、中州はあるものの、約1kmの川幅がたいへん広く、地元で飛んでいるフライヤーのアドバイスに従い、かなりの高度を確保してから横切った。上空からは、夫婦岩は明確に分からず、気が付くと、その真上を飛んでいて、しめ縄や神社の建物を確認しながら、フライトの安全を祈願した。かなり着込んだものの、往復1時間半のロングフライトになり、フライトの途中から風の冷たさを感じ、ランディングの際は体が強張っていた。
 フォトスポットを普通に眺めても、もちろん素晴らしいのだが、その上空からの眺望はそれ以上だ。

 ところで、「夫婦岩」は日本全国に10ヶ所もあるようで、それら観光地による「全国夫婦岩サミット連絡協議会」というものもあるとのことで、各夫婦岩には異なる伝承もあるようだ。
 「豊後二見ヶ浦」の夫婦岩の伝承を別途、調べたくなった。

 そして最後に訪れたのは「嵐暁(ぎょうらん)公園」で、その近くには600年前に建立された「瀧三柱神社(たきみつばしら・じんじゃ)」、そして「嵐暁の滝」、それは海岸近くにある滝なのだが山奥にあるような佇まいの見事な滝だった。それらを見た後は展望台に上がり、浅海井の町を眺めることができ、N君の家もしっかりと見ることができた。
 このあたりは、幼い頃のN君の遊び場だったことで、その頃の話も交えながら、色々な説明を聞いた。
 佐伯湾に面した風光明媚な浅海井の土地の歴史も感じることができ、N君の素晴らしい生れ故郷を垣間見ることができた。

 夕食は、N君の嫁さんも加わり、佐伯城址近くの料亭で、ミニ懐石膳を味わった。昼食に続き夕食でも、海の幸を食べることができて、満足な時間を過ごすことができた。ホントにサンキュー・ソー・マッチ、ム―チャス・グラシアス。

 その夜は久々に、N君の歌声を聞くことができた。彼は今でもギターをつま弾いて、作詞作曲もやっていて、オリジナル曲を聞かせてもらい、大学生の頃のバンドの記憶を思い出した。