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二階級特進

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「まさかとは思うが、被害者は、間違って殺されたのではないか?」
 というのだった。
「間違ってですか? だとすれば、やけに偽装工作をしていませんか?」
 と秋元刑事が聞くと、
「いやいや、間違えたからこそ、その善後策に苦慮して、バレそうなことをしたりしたのではないか?」
 という桜井警部補に、
「それは、毒殺の後に、ナイフで刺殺をしたり、被害者の死体を動かしたりなどということでしょうか?」
 と、秋元刑事が、逆に聞くと、
「ああ、そうなんだ。でも、犯罪の隠蔽であったり、カモフラージュを行うなどということであれば、この状況はすぐに警察に看破されたということで、突発的なことが起こって、頭が混乱した中で、考えられるカモフラージュをしたのかも知れない」
 と桜井警部補がいうと、
「それはいえるかも知れないですね。でも、そうだとすると、このカモフラージュは、実際に殺そうとしている相手に対して使おうと思っていたことかも知れないですね。ということは、今回の犯人は、周到な計画をしていたということになるのでしょうが、それなのに、肝心な相手を間違えるというのは、あまりにも、お粗末ではないですかね?」
 と秋元刑事は言った。
「だが、最初は毒殺ということなので、相手に毒を飲ませようとして、間違って違う人が飲んでしまったというのは、普通にあることかも知れない。それこそ、偶然ということなのかも知れない」
 と桜井警部補は言いながら、それでも考え込んでいた。
「この殺人は、間違いというわけではなく、逆に事件を混乱させるための、ただの前兆に過ぎない」
 とも考えていたからだ。
 しかし、実際に殺人が行われているところで、
「前兆」
 であったり、
「カモフラージュ」
 などというと、不謹慎でしかない。
 ただ、もしそれが本当だということになると、もっと恐ろしい発想が出てくるということになる。
 だから、秋元刑事は、黙っているわけにはいかなくなり、
「この事件が、警察に対しての何かの挑戦のようなものだとすれば、この事件は、これで終わりということではないですよね。本来の目的たるものが、この後に起こるという可能性もあるわけだ」
 というと、
「ということは、あの脅迫状の意味を考えると、狙われるのは、川崎会長だということになるのか?」
 と桜井警部補は言った。
 それを聞いた秋元刑事は、無言で頷いたが、それは、言葉にするのが怖いというよりも、
「警察に対しての挑戦」
 ということに対し、武者震いを感じていた。
 しかし、どうしても、
「不謹慎」
 という感情があるからなのか、なるべく、
「震えを抑える」
 という態度を取ったが、もし、その場に他の人がいれば、秋元刑事を見て、
「刑事も案外臆病なのではないか?」
 と思われるほど、肩をすくめていたが、その本心は、
「相手に不謹慎だ」
 という思いが強いからであろう。
 そもそも、秋元刑事は、普段から、
「犯罪捜査と称して、捜査に対して、一般庶民にひどい対応をしている」
 ということが、気に食わなかった。
 本当は、
「プライバシーの侵害」
 ともなりえるようなことを、
「これは殺人事件の捜査」
 ということで、あたかも、
「警察の権威」
 というものをひけらかしているのが、いやだったのだ。
 しかも、そんな連中に限って。
「警察という国家権力を振りかざさないと、何もできない」
 という、一種の、
「能無し刑事」
 というものに多いと考えていたのだった。
 だから、普段から、必要以上に、庶民に対して、
「不謹慎なことがないように」
 と心がけているといってもいいだろう。
 今回の事件で、新たに出てきた、
「殺害予告」
 とも見える脅迫状の存在が、
「この事件にいかなる問題を提起するというのか?」
 と考えさせられるということになるだろう。
 ここでの話として、一つ考えられることとして、
「間違えられたのではないか?」
 ということであったが、そう考えたとすれば、
「合点がいかないところも若干ある」
 ということだ。
 しかし、その事件の第一発見者である会社会長に、
「脅迫状」
 なるものが届いていたというのは、偶然であろうか?
 途中で、秋元刑事が、
「脅迫状自体が人違いということは?」
 ということであった。
 というのも、その脅迫状の内容を見れば、その内容に、
「川崎会長」
 の名前が一切なかった。
 しかも、それは郵便で届けられたわけではなく、直接家のポストに入っていたということだったので、宛名も書かれていなかったのだ。
 それを考えると、
「誰にたいしての脅迫状であっても、いいように書かれている」
 ということである。
 だからこそ、
「いたずらではないか?」
 ということで、他の人なら、まず相手にしないかも知れないが、川崎会長は、
「地位も名誉も、そして金もある」
 ということから、
「万が一」
 ということもあるわけで、そうなると、
「このまま黙っておく」
 ということもできないというものであった。
 だが、実際には、その会長が死体を発見するということになったのだ。それを、
「ただの偶然で片付ける」
 というのも、おかしなものだ。
 そこで、秋元刑事は、一つの考えがあった。
「これを偶然ではない」
 と考えた時、
「死体を動かした」
 ということであったけど、それこそ、この発見が偶然ではないということを証明しているのではないだろうか?
 という説を持っていたのであった。
 それを、桜井警部補に告げると、
「確かにそうかも知れないな。もし、犯人の本当の目的が会長殺害だと考えた時、容疑者が誰なのかということを探ってみよう」
 と、秋元刑事に命じた。
「それと、今回の一見関係ないように見える今村記者と、第一発見者である川崎会長のつながりについても調査する必要はあるでしょうね。直接に関係がないかも知れないけど、どこかでつながりがあるのかも知れない」
 と秋元刑事は、考えていた。
「そうだな、それも一つの捜査だな。私には、二人の関係が、そう簡単に見つかるような気はしないんだけどな」
 と桜井警部補がいうと、秋元刑事は、またしても、無言で頷いた。
 秋元刑事が、桜井警部補に、
「無言で頷く」
 という態度を取った時、その時は納得しているということの証明のようなものだったのだ。
 実際に事件は、その後、進展があった。
「いい展開」
 というわけではなく、逆に、
「恐れていたことが起こってしまった」
 ということであり、いわゆる、
「脅迫状の効果」
 というものが現れたということになる、
「川崎会長が行方不明」
 ということが、川崎社長から、警察に届けられたからだった。
 警察の方も、
「川崎会長を見張る」
 ということは行っていた。
 というのは、脅迫状というものを信じての、身辺警護というのも、若干はあったが、それよりも、まったく逆の捜査ということで、
「今村記者の事件捜査」
 ということで、
「容疑者がいなくなってしまった」
 ということから、膠着状態に陥ったが、それでも、一縷の望みとして、
「第一発見者を疑え」
 ということで、川崎会長を見張っていたのだった。
 しかし、
作品名:二階級特進 作家名:森本晃次