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笑みの中の恐怖

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この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、場面、説定等はすべて作者の創作であります。似たような事件や事例もあるかも知れませんが、あくまでフィクションであります。それに対して書かれた意見は作者の個人的な意見であり、一般的な意見と一致しないかも知れないことを記します。今回もかなり湾曲した発想があるかも知れませんので、よろしくです。また専門知識等はネットにて情報を検索いたしております。呼称等は、敢えて昔の呼び方にしているので、それもご了承ください。(看護婦、婦警等)当時の世相や作者の憤りをあからさまに書いていますが、共感してもらえることだと思い、敢えて書きました。ちなみに世界情勢は、令和6年8月時点のものです。お話の中には、事実に基づいた事件について書いていることもあれば、政治的意見も述べていますが、どちらも、「皆さんの代弁」というつもりで書いております。今回の事件も、「どこかで聞いたような」ということを思われるかも知れませんが、あくまでもフィクションだということをご了承ください。ちなみに、今回の「山岳警備隊」というのは、警察組織などの公式のものではなく、あくまでも、架空の話の中での、架空組織と思ってください。

                 プロローグ

 ある日の早朝、朝霧に煙る登山道の入り口付近で、男性の変死体が見つかった。
 時間的には、早朝といっても、夜は明けていて、時間的には、7時過ぎということで、田舎の人からすれば、
「もう早朝ではない」
 といえる時間であるが、実際には、
「早朝というのは、霧に隠れた朝もやの時間帯だから」
 ということであった。
「カッコウの声が響いている高原では、夏の時期など、靄が掛かることが多く、管理する側は、朝から警備を怠らないようにしているのであった」
 もちろん、朝の誰もまだ起きてこないこの時間に、
「何かがある」
 ということを予知する人などいないだろう。
 むしろ、
「その日、一日何もないように過ごす」
 ということを重点として、
「登山客の足手まといになりそうなものは撤去しておく」
 ということが大切であった。
 実際に、山では、
「山岳警備隊」
 などというものが組織され、自治体が管理しているところもあるようで、定期的な警備を、警備員が、
「シフト制」
 で、警備についているということであった。
 その日も、山岳警備隊が、山中において、
「標識が曲がっていないか?」
 ということであったり、
「慣れない登山客が迷ってしまう」
 というようなことのないように警備が行われているのであった。
 この日も、同じように、前の日から、麓のバンガローに泊まり込んでいた警備隊が、早朝からの勤務に就き、午前中くらいに掛けて、主に警備を担当していた。
 彼らは、
「警備隊」
 という名がついているが、登山客の観光案内というのも、重要な役割である。
 中には、団体客などについていくことになれば、
「山に対しての共通認識と、この山独特の気を付けなければいけない」
 ということの二つを同時に伝授しなければいけない。
 つまりは、
「山に対しての、かなりの知識がなければ、山岳警備隊は務まらない」
 ということだ。
 さらに、
「山道を歩き回る」
 ということであったり、
「救命救助」
 というものに関しては、絶対的な知識と経験を必要とするのである。
 だから、
「山岳警備隊」
 という職に就いた人の前職というと、
「警察官」
 であったり、
「自衛官」
 という人が多いのだ。
「なぜ、山岳警備隊に入ったのか?」
 ということは、
「なぜ、前職を辞めたのか?」
 ということになるわけで、その理由にはさまざまあるだろうが、
「職が変わっても、救命救助というものへの気持ちは変わっていない」
 ということで、前職を辞めた理由に、
「きついから」
 というのはありえないだろう。
「きつい」
 ということで辞めたのであれば、山岳警備隊に入るという選択肢はないはずだからである。
 特に、
「山というのは、危険を伴う」
 というのは分かっていることで、
「慣れている人でも、転落事故が絶えない」
 といってもいい。
 だから、警察や自衛官であっても、それこそ、
「レンジャー部隊」
 などの経験があれば、それほど、
「山に対しての恐怖心はない」
 ということになるだろうが、
「まだ、入って半年くらい」
 という新人で、
「元警察官」
 という人がいた。
 年齢は、まだ二十代で、刑事の経験というのはなかった。
 交番勤務を数年勤めてきたのだが、急に、
「警察を辞める」
 と言いだして、仲間が、
「どうして辞めるんだ?」
 と聞いても、理由を明かすことはなかった。
 同僚の中にも、
「理由は言えないが、俺だって辞めたいと思っている」
 と感じている人も少なくない。
 彼らからすれば、
「簡単に辞めれるのがうらやましい」
 と感じる人もいたが、辞めていった人たちのほとんどは、
「本当は辞めたくない」
 と感じている人が多かった。
 理由としては、
「理不尽なことが多すぎる」
 と思っている人は多い。
 それは、
「所轄の刑事」
 にも言えることで、そこに、警察という、
「階級制度の闇」
 というものがあるといってもいいだろう。
「所轄の刑事というのは、キャリア組には、圧倒的に弱い」
 といってもいい。
 「キャリア組」
 でなくとも、
「警視庁」
 であったり、
「道府県警察本部」
 の、捜査一課というと、所轄の刑事には、頭が上がらないといってもいいだろう。
「捜査はさせてもらえず、雑用係ばかり、運転手であったり、案内役と言った役回りで、しかも、手柄はmすべて、捜査一課に持っていかれる」
 といってもいい。
 いわゆる警察の、
「縦割り構造」
 というものだ。
 同じ所轄の内部においても、歴然とした階級差別のようなものがある、
「階級によって、捜査権が与えられなかったりする」
 ということであり、逆に、事件が起きれば、
「捜査本部」
 というものが立つことになる。
 そうなると、捜査本部で決まった捜査方針というものは、たとえ、
「管理官であっても、その決定した方針に逆らうということになると、捜査本部から外される」
 ということになるのだ。
 そこには、警察の絶対的な、
「縦割り社会」
 というものと、
「規律を守る」
 ということの、融合があるといえるだろう。
 特に、
「刑事と、制服警官」
 とでは、かなりの差があり、
「警官は、事件捜査には加わること」
 はできず、
「事件の通報を受けて一番に駆けつけた」
 としても、できることといえば、
「野次馬の整理」
「規制線を貼る」
「発見状況を刑事に通報する」
 というくらいであろうか、
 あとは、
「第一発見者に、初動捜査としての話を聞いたりする程度」
 ということであろう。
 刑事ドラマなどとみていると、目撃者に対して、警察は、
「何度も同じことを聞く」
 ということのようで、たとえば、
「最初に、制服警官に聞かれて」
 今度は、
「所轄の刑事に聞かれ」
 さらには、
「本部の捜査一課の刑事に聞かれる」
 ということで、それこそ、
作品名:笑みの中の恐怖 作家名:森本晃次