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腐食の後悔

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この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、場面、説定等はすべて作者の創作であります。似たような事件や事例もあるかも知れませんが、あくまでフィクションであります。それに対して書かれた意見は作者の個人的な意見であり、一般的な意見と一致しないかも知れないことを記します。今回もかなり湾曲した発想があるかも知れませんので、よろしくです。また専門知識等はネットにて情報を検索いたしております。呼称等は、敢えて昔の呼び方にしているので、それもご了承ください。(看護婦、婦警等)当時の世相や作者の憤りをあからさまに書いていますが、共感してもらえることだと思い、敢えて書きました。ちなみに世界情勢は、令和6年8月時点のものです。お話の中には、事実に基づいた事件について書いていることもあれば、政治的意見も述べていますが、どちらも、「皆さんの代弁」というつもりで書いております。今回の事件も、「どこかで聞いたような」ということを思われるかも知れませんが、あくまでもフィクションだということをご了承ください。実際にまだ標準で装備されていないものも、されることを予測して書いている場合もあります。そこだけは、「未来のお話」ということになります。

                 プロローグ

 外食産業を中心とした、経営コンサルタント会社である、
「ダイニングエンタープライズ」
 という会社で、最近、人事異動があった。
 期末ということではなく、時期としては中途半端な時期だったこともあって、さほど目立つことではなかった。
 会社の方としても、
「ことは穏便に」
 ということで、一見、
「ただの異動」
 ということであるが、その実情は違っていた。
 実は、最近になって、
「特捜が動く」
 というウワサがあり、その根拠として。
「ダイニングエンタープライズ」
 を顧問としたある外食産業の会社が、経理上の不正を行い、その利益を、地元で活躍している議員への、
「不正献金」
 ということに使うというウワサだった。
「ただのウワサに過ぎない」
 ということでもあったが、それを特捜が、重要視したのは、それが、内偵によるものではなく、匿名による、
「内部告発だった」
 ということからであった。
 最初は、警察に対してではなく、マスゴミへのリークだった。
 まともに、出版社や新聞社に垂れ込むようなことはせず、
「警察にも顔が利く」
 と言われる、
「情報屋」
 という人に話を持って行った。
 そうすれば、
「金にもなるし、せっかくの情報を、ぞんざいに扱われることはない」
 と考えたのだ。
 実際に、
「どれだけの価値があるものか」
 ということは、情報屋が一番分かっていることであるし、
「マスゴミ側と、警察側、両方からの事情を一番よく分かっている」
 ということで、
「自分に対しても悪いようにはしないだろう」
 というのが、一番の理由だった。
 案の定、垂れ込んだ相手の男は、むやみに上司に報告をしたり、いきなり記事に書いたりなどということはしなかった。
 もし、していれば、
「暴挙である」
 といっても過言ではないほどのものだった。
 しかも、そこには、
「地元ローカル」
 とはいえ、政治家が絡んでの不正疑惑である。
 一歩間違えば、
「数人の政治家の首が飛ぶ」
 といってもいいほどで、さすがにそのあたりは心得ているということから。安心ができたのだ。
 警察が動くこともなかった。
 元々。
「特捜が動く」
 と言われていたが、どのようなテクニックを使ったのか、
「企業秘密」
 なのだろうが、ギリギリのところで止まったようだ。
 とりあえずは、
「警察が動くことを阻止する」
 というのが、当初の目的だったので、その目的は果たされたといってもいいだろう。
 ただ、そこまで大々的にやったのだから、
「最終的に何もなかった」
 ということはありえないだろう。
 どこかで誰かがその煽りを食う形にならないと、おさまりがつかないし、もっといえば、
「示しがつかない」
 といってもいいだろう。
 しかも、そのことは、
「自分たちだけで分かっていることだ」
 ということで、世間一般的には、
「定期業務の一環」
 としておかなければいけない。
 そういう意味で、
「人事異動」
 というのは、その隠れ蓑とする意味でも、重要なことなのかも知れない。
 昔であれば、
「海外赴任などを経て、日本に帰ってくると、半年後には、課長に昇格している」
 などという、ことが当たり前に起こっていたではないか。
 今の時代にも、当然あるだろう。
 そもそも、
「バブル崩壊」
 という時期には、中小企業であったり、地元大手と呼ばれるようなところは、
「会社存続のため」
 ということで、
「大手企業の傘下に入る」
 ということで、
「グループ会社の一員」
 ということになったり、
「吸収合併される」
 ということになり、母体である大企業は、大きくなるだけで、それだけに、昔のやり方を踏襲しているというのは当たり前ということであろう。
 バブル崩壊後の社会は、かなりそれまでと様相が変わっていた。
 何しろ、
「バブル経済時期までは、銀行は絶対に潰れない」
 という神話があり、それを安心材料として、遠慮なく、
「幅広い業務展開を示してきた」
 といってもいい。
 だが、広げすぎてしまうと、いったん、歯車が狂うと、
「果てしない負債を抱えてしまう」
 ということになる。
 中小企業であれば、完全に、自分の身にも余るだけの負債を抱えることになり、
「あっという間に会社がなくなってしまう」
 というのが当たり前になってしまうことであろう。
 すでに、バブルの崩壊から、30年近くも経っているということで、
「諸外国では、今は経済成長を果たしている」
 というのだが、
「日本においては、30年前と水準はほとんど変わっていない」
 ということで、
「先進国としてはありえない「
 というレベルであろう。
 だからこそ、日本という国は、
「失われた30年」
 と言われるわけで、
「物価上昇は歯止めが利かず。さらにどんどん増えている」
 というのに、
「給料はまったく上がらない」
 ということで、
「経済成長どころか、マイナス傾向が続いている」
 というのと同じことであった。
 その理由ということで、直接的な原因としては、昔から言われていた、日本経済の柱といってもいい考え方である、
「年功序列」
 と、
「終身雇用」
 という考え方である。
「年功序列」
 というのは、
「給料や、会社での地位は、年齢とともに上がっていく」
 というものである。
 つまりは、
「年齢か、勤続年数によって、大方学歴に合わせて、ほとんど決まっている」
 ということだ。
 さらに、
「終身雇用」
 というのは、
「会社に入れば、定年まで勤めあげるというのが、当たり前」
 という考え方であった。
 今で考えれば、
「こっちが正解ではないか?」
 とも思われるが。バブル経済前くらいから、
「自由がない」
 と言われていた。
「いくら実力があっても、会社が認めてくれない」
 ということから、
「適当に仕事をしていけないい」
作品名:腐食の後悔 作家名:森本晃次