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中途覚醒

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 すべてを知ってこその、教訓ということであろう。
 だから、大久保は、会社に入った時から、
「起業というのは危険が伴う」
 ということで、考えないようにした。
 昭和の時期にも、
「町工場」
 というものが、立て続けに潰れた時期があった。
 理由はいろいろあるというもので、
「好景気の間にあった不景気による」
 というものであったり、
「海外からもたらされたオイルショック」
 などという、予期せぬことも原因にはあっただろう。
 しかし、確かに、バブル崩壊だけを見ていれば、見えない部分もあるだろう。
 昭和の時代の、倒産ラッシュもしっかりと見なければいけない。
「今の時代との共通点」
 というものが必ずあるからだといってもいいだろう。
 バブルの時代の記憶すら知っている人は、初老以上の人であろうから、昭和時代の町工場の倒産時期ということになると、
「もうとっくに引退している人たち」
 ということになる。
 いわゆる、
「戦後の高度成長を支えた時期」
 といってもいい。
 ただ、その頃は今の時代と違い、
「社会福祉であったり、いろいろな保険制度、税金、年金」
 というものが整ってきて、充実していた時代だった。
 しかし、
「今の時代は、社会福祉に役立てるといって徴収している消費税は上がる一方。しかも、役立てるはずの保険制度や、年金制度が、完全に崩壊している」
 ということであれば、
「誰が政府を信じる」
 というのか、
 健康保険など、昭和の時代には、
「被保険者であれば、初診料だけで、あとはただ」
 というのが個人負担だった。
 それが、
「一割負担で、被扶養者には、三割負担」
 ということになり、今では、
「被保険者でも、被扶養者でも三割負担」
 ということになっている。
 さらに、年金に至っては、
「昭和の頃は、定年が55歳で、年金は定年退職してすぐにもらえる」
 という時代だったではないか、
 それが今は、
「定年は、60歳で、年金受給は基本的に65歳から」
 ということになっている、
 だから、本来であれば、
「65歳までの雇用を保障しなければいけない」
 というはずなので、国からは、
「社員が望めば、65歳までの雇用を保障しなければいけない」
 ということに、
「建前上はなっている」
 ということであるが、実際には、
「再雇用でそのまま会社にいたい」
 と社員が思ったとしても、
「いろいろな理由をこじつけて、会社から追い出す」
 というところが相当にある。
 ということである。
 しかも、
「60歳で切られてしまった」
 という人は、
「フルタイムで働かないと収入が他にない」
 ということであるが、実際に、高齢者の雇用に関しては、
「短時間」
 であったり、
「週に2日くらいしか働き口がない」
 ということで、職がないのだ。
 しかも、政府は、年金受給年齢を、
「さらに引き上げよう」
 としているではないか。
 これは完全に、
「現代の、姥捨て山」
 といってもいいのではないだろうか?
 社会において、
「確かに、若い人は、年金を収めているが、もらえることもない」
 ということから、
「最初から年金を治めない」
 と考える人もいることだろう。
 会社に勤めていれば、
「天引きにされてしまう」
 ということになるだろうから、
「フリーランス」
 でやっている人は、年金を治めないという人は少なくもないだろう。
 大久保がそこまで考えていたかどうか分からないが、これは、結果論であった。
 ただ、今回フリーランスとして請け負っている仕事を発注してくれた会社の社員が、実際には、ブラックな企業だということが分かった。
 特に、
「60歳で定年を迎えた人を、ことごとく切っている」
 ということであった。
 そもそも、その会社自体は、そんなに大きな会社ではなかった。
 一種の、
「ソフト会社のような会社」
 であったが、元々は、
「大きな会社のシステム部」
 ということであったが、昔は、いわゆる、
「同族会社」
 だったようだ。
 バブルの時代に、いろいろな業種に手を出したのだが、その業種自体が、他にまだまだ例がなく、
「最先端の企業だった」
 ということから、バブル崩壊後も、何とか生き延びた会社だった。
 しかし、なんとか生き延びている時期に、会社の建て直しを計るという努力をすべきところを、
「今大丈夫」
 ということにかまけて、何もしかなったことで、それまでの信用にだけ、ぶら下がっていることで、切り抜けられる時代ではなかった。
 しかも、途中で、
「予期せぬこと」
 が発生し、会社が、先ゆかなくなった。
 会社が悪いのかどうなのかということはハッキリとはしなかったが、
「食品を扱っている会社」
 ということでは、
「よくあることではあるが、致命的」
 という、
「食中毒事件」
 を引き起こしたのだ。
 保健所から、
「数日間の業務停止」
 ということを言い渡されたが、その影響で、会社に対しての
「信用」
 というのは、失墜したのだ。
 つまりは、
「想像以上の痛手を食らう」
 ということで、さらに、それまでの企業努力を怠っていたことから、会社の信用はすでになくなっていたのである。
 そのせいで、
「会社は、破綻する」
 ということになり、一種の、
「倒産状態」
 ということになった。
 しかし、そもそもが、
「最先端の業務」
 ということで、何とかなってきた会社だったことで、
「スポンサー」
 というのは、結構現れた。
 しかし、それまでのような、
「同族会社」
 ということでの生き残りができるわけはなく、
「会長、社長は退任」
 ということで、スポンサー会社の協力によって、会社再建がなされたといってもいいだろう。
 そんな中で、
「システム部」
 だけが、独立し、
「ソフト会社」
 として生まれ変わった。
 とはいえ、
「スポンサー会社」
 というのは、その業種のノウハウを、手放したくないということ、
 そして、独立会社自体も、そのままでは、弱すぎて、存続できるわけはないといえるだろう。
 そもそも、独立した時、
「スポンサー会社が、放っておくことはないだろう」
 ということを見越して、会社を独立させたのであり、それが、
「会社運営」
 というものをハッキリさせたといってもいいだろう。
 だから、
「非常に若い会社」
 ではあったが、ソフト会社としては、強力会社の力を受けやすいともいえた。
 お互いに、協力し合うことでグループ会社も、同じシステムを使うことで、
「グループ会社同士の、システム合併」
 ということが進めやすくなったのだ。
 それが、
「グループ会社側におけるメリット」
 というもので、
「この会社の独立」
 というものは、
「お互いにメリットの方が大きい」
 ということになるのであった。
 それを考えれば、
「若くて小さな会社だが、その存在意義は大きい」
 といえるだろう。
 社員は、十数名くらいで、
「そのほとんどが、SEであり、業務企画の人間」
 ということで、
 システム開発ばかりしていたので、昔でいう、
「ベンチャー企業」
 のようなものだった。
作品名:中途覚醒 作家名:森本晃次