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完全犯罪の定義

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この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、場面、説定等はすべて作者の創作であります。似たような事件や事例もあるかも知れませんが、あくまでフィクションであります。それに対して書かれた意見は作者の個人的な意見であり、一般的な意見と一致しないかも知れないことを記します。今回もかなり湾曲した発想があるかも知れませんので、よろしくです。また専門知識等はネットにて情報を検索いたしております。呼称等は、敢えて昔の呼び方にしているので、それもご了承ください。(看護婦、婦警等)当時の世相や作者の憤りをあからさまに書いていますが、共感してもらえることだと思い、敢えて書きました。ちなみに世界情勢は、令和6年7月時点のものです。お話の中には、事実に基づいた事件について書いていることもあれば、政治的意見も述べていますが、どちらも、「皆さんの代弁」というつもりで書いております。今回の事件も、「どこかで聞いたような」ということを思われるかも知れませんが、あくまでもフィクションだということをご了承ください。実際にまだ標準で装備されていないものも、されることを予測して書いている場合もあります。そこだけは、「未来のお話」ということになります。

                 プロローグ

「交換殺人」
 という言葉を、ミステリーファンの人であれば、当然聞いたことがあるだろう。
 ただ、この交換殺人というものには、メリットもあれば、デメリットもある。そういう意味で、
「リスクの高い犯罪だ」
 といえるのではないだろうか?
 特に、
「殺人罪の時効が撤廃された現在」
 においては、交換殺人を行う意義というものがあるのだろうか?
 と考えられる、
 その理由として一番考えられるのは、
「交換殺人を行うメリット」
 というものの裏を考えた時であろう。
 そもそも、なぜ、交換殺人を行うのか?
 ということになるわけだが、まずは、
「逮捕されない」
 ということが、一番ではないだろうか?
 その一つとして考えられるのは、
「犯人に動機がない」
 ということである。
 実際に、動機のない犯罪など、衝動殺人でもない限りないだろうと思えるが、交換殺人というのは、れっきとした計画犯罪である。
 しかも、綿密な計画を立てておいて、しかも、その犯行のタイミングをしっかりとつかんでおかないとまずいといえるだろう。
 なぜなら、
「交換殺人」
 というのは、
「主犯と、実行犯がいる」
 ということだからである。
「主犯」
 つまりは、
「れっきとした動機を持った人」
 というのと、
「実行犯が別」
 ということで、警察の捜査とすれば、まずは、動機を持った人を中心に、犯人の割り出しというものを行いながら、実行犯の足取りを追うというのが、
「捜査方針」
 といえるのではないだろうか。
 もちろん、
「主犯が実行犯だ」
 ということを当たり前だということで、まずは捜査をすることになる。
 しかし、実行犯というのは、あくまでも、
「被害者とは。まったく関係のない人間」
 ということであり、さらには、
「主犯とは、表向きには、ほとんど関係のない人間」
 というくらいに思わせておく必要がある。
 だとすれば、状況証拠だけがあり、実行犯を警察が割り出したとしても、実行犯には、
「殺人の動機がない」
 ということになれば、逮捕状くらいは出るかも知れないが、動機もないとすれば、起訴に持ち込むことは難しいだろう。それこそ、
「証拠不十分」
 ということで、釈放されるのが、関の山ということではないだろうか。
 しかも、本当の主犯とは、ほぼ面識がないということで、
「主犯が犯人だ」
 ということに警察はなかなかたどり着かないだろう。
 なぜなら、
「犯人側は、主犯に、完璧なアリバイを作っているに違いない」
 ということになるだろうからだ。
 そして、その間に、今度は、
「主犯と、実行犯が入れ替わった形の犯罪が起こる」
 というわけだ。
 つまり、今度は、
「主犯が、実行犯となり、実行犯が主犯となる」
 ということである。
 この二つをそれぞれ、単独の犯罪だと思わせている間は、警察が、この計画にたどり着くことはない。
 だから、交換殺人の肝は、
「それぞれの関係を、警察に知られない」
 ということが問題なのであった。
「警察には、まったく別の殺人」
 と思わせること、そして、
「あくまでも、二人は赤の他人だ」
 と思わせることである。
 少なくとも、二人の共通点は、
「誰か殺したいほとの相手がいる」
 というだけのことであり、しかも、
「その相手はまったく関係のない人」
 ということだ。
 だから、二人は、
「共犯であり、主犯だ」
 といえる。
 しかも、共犯という意味では、
「実行犯」
 なのだから、罪はさらに思いのではないだろうか。
 なんといっても、
「何の恨みもない相手を殺す」
 ということなのだろうから、主犯であれば、恨みがあるということから、その内容によっては、
「情状酌量」
 という気持ちになるだろうが、
「まったく縁もゆかりもない人を、自分が殺してほしい相手を他の人に殺させるため」
 つまりは、
「自分が捕まりたくない」
 という理由から、殺人を犯すというのだから、
「これ以上悪質な犯罪があるだろうか」
 といってもいいだろう。
 そういう意味でいえば、
「捕まらなければ、完全犯罪」
 といってもいいのだろうが、捕まってしまうと、罪の重さから考えれば、これほど厳しいものはないのではないだろうか?
「極刑もやむなし」
 といえるかも知れない。
 そして、交換殺人の難しいところは、
「お互いの関係を、知られてはいけない」
 ということで、
「昔であれば、時効というものが15年というのが決まっていたので、15年かんばればなんとかなる」
 ということであったが、
「今の時代には、時効も撤廃されたので、それこそ、秘密は墓場まで持っていくしかない」
 ということであった。
 さらに、交換殺人というもののデメリットとして、一つ考えるとすれば、
「物理的に不可能ではないか?」
 ということであった。
 ただ、この、
「物理的な」
 という言葉で考えると、
「心理的に不可能ではないか?」
 ともいえるだろう。
 というのは、
「交換殺人というのが、お互いの利害が一致したことであり、別に人情で結びついた間柄ではない」
 ということだった。
 つまりは、
「お互いに、自分の目的のために、警察に捕まらないために計画し、実行犯を守る」
 というだけの関係であった。
 だから、
「実行犯は、被害者と面識がないので、捜査線上に上がってくるということはない」
 のである。
 だから、よほど、
「防犯カメラに実行犯の顔が映っていたりして、実行犯が誰なのかということが、特定でもされない限り、疑われるということはありえない」
 ということだ。
 動機の面からであれば、
「主犯が一番怪しい」
 ということになるだろう。
 当然、聞き込みにもくるだろうし、その聞き込みで、
「完璧なアリバイがある」
作品名:完全犯罪の定義 作家名:森本晃次