小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

本当の天才

INDEX|1ページ/16ページ|

次のページ
 
この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、場面、説定等はすべて作者の創作であります。似たような事件や事例もあるかも知れませんが、あくまでフィクションであります。それに対して書かれた意見は作者の個人的な意見であり、一般的な意見と一致しないかも知れないことを記します。今回もかなり湾曲した発想があるかも知れませんので、よろしくです。また専門知識等はネットにて情報を検索いたしております。呼称等は、敢えて昔の呼び方にしているので、それもご了承ください。(看護婦、婦警等)当時の世相や作者の憤りをあからさまに書いていますが、共感してもらえることだと思い、敢えて書きました。ちなみに世界情勢は、令和6年7月時点のものです。お話の中には、事実に基づいた事件について書いていることもあれば、政治的意見も述べていますが、どちらも、「皆さんの代弁」というつもりで書いております。今回の事件も、「どこかで聞いたような」ということを思われるかも知れませんが、あくまでもフィクションだということをご了承ください。実際にまだ標準で装備されていないものも、されることを予測して書いている場合もあります。そこだけは、「未来のお話」ということになります。今回は、少し、犯罪者の立場という気持ちも書いています。不快感を感じる方には、お勧めできませんので、早めにご判断ください。

                 プロローグ

「冤罪」
 という言葉があるが、よく用いられる言葉である。
 しかし、法的に曖昧な部分が多く、その解釈はまちまちだと言われるようである。
 要するに、
「無実の人間を、犯人として逮捕し、起訴され、裁判で有罪が確定したが、後になって、あるいは、裁判の途中で、真犯人が見つかったりした場合など、最初に裁判にかけられたひとは、冤罪だ」
 といってもいいだろう。
 よく、冤罪事件として問題にされるのが、
「痴漢事件」
 などが、その一つではないだろうか?
 殺人などに比べれば、罪としては、そこまで厳しいものではないが、ひとたび、
「痴漢をした」
 ということがウワサになれば、その時点で、その人が有罪であろうが、無罪であろうが、
「社会的制裁」
 というものを、確実に受けることになる。
「会社にもいられなくなる」
 であろうし、
「家庭崩壊」
 というのも免れない。
 それを考えれば、後になって、
「すみません」
 では済まないのだ。
 特に満員電車の中などで、
「故意ではないのに、手が触れてしまった」
 というだけで、痴漢扱い。
 それは、
「あまりにもひどいのではないか?」
 といえるのではないだろうか?
 痴漢というのが発覚するのは、二つの場合がほとんどで、
「本人が、親告する」
 ということと、まわりで見ていた、いわゆる、
「善意の第三者」
 が、
「この人痴漢です」
 といって、手を掴んで、あたかも、
「動かぬ証拠を握った」
 とばかりに、勝ち誇って、手を上にあげるなどの行為に及んだ時である。
 女の子が、声を上げるということは、そんなにないだろう。
 どうしても、
「怖い」
 という印象が強く、へたをすれば、
「逆恨みをされる」
 と思うからだ。
 これが重罪で、
「死刑」
 であったり、
「無期懲役」
 となって、絶対に自分に復讐しないと思えば、親告するかも知れないが、
「痴漢なんていう卑劣な犯罪をする男なんだ」
 と思うことから、とにかく、相手が、
「怖い」
 というのが強いだろう。
 特に、
「恥ずかしい」
 という思いと、
「怖い」
 という思いとが交差して頭の中で、スパイラルを引き起こすことになると、その思いが、
「トラウマ」
 として残ってしまうことも少なくない。
 だから、痴漢被害者の中には、その後、怖くて電車に乗れなくなったりすることで、
「神経内科」
 というものに通院する羽目になった人もいることだろう。
 だから、
「痴漢の被害者」
 というのは、社会的には、
「弱者である」
 ということが確定しているように見られ、容疑者にされてしまうと、圧倒的に不利だということになる。
 痴漢などで、警察に捕まって、まわりの人に警察が聞きこみを行うなどした場合、ほぼ間違いなく、その人は、
「推定有罪」
 ということになるだろう。
 まわりにいた人からすれば、
「たとえ、その現場を見ていなくても、見たと証言してしまうこともあるに違いない」
 なぜなら、
「痴漢というのは、卑劣な犯罪だ」
 と思い込んでいるからだ。
「弱者である女性の、自分から助けを求められないことをいいことに、自分の欲望を満たそうとする」
 ということから、考えられることであった。
 もっと言えば、
「男として、か弱い女性を助けるのは当たり前のことだ」
 という思いがあるからであろう。
 ただ、これは逆にいえば、
「か弱い女性を助けるということは、自分が正しいことをした」
 という、
「自己満足を満たす」
 ということにつながるともいえるだろう。
 だから、もし、
「この人痴漢だ」
 といって、犯行を犯していようがいまいが、いきなり、見ず知らずの連中に、手を掴まれて、公衆の面前で、恥をかかされたと思えば、イラっとくるのは当然であろう。
 もちろん、
「本当に犯罪を犯している」
 ということであれば、
「どの面下げて、そんなことがいえるのか?」
 ということになるのだろうが、少なくとも、
「善意の第三者」
 とはいえ、まったく関係ない連中の、自己満足のために、捕まってしまうのは、やりきれないことである、
 これが中には、
「善意の第三者」
 ではない場合もあったりする。
 というのは、
「被害者の女の子」
 と、
「善意の第三者」
 である告発者が、
「実は知り合い」
 ということで、しかも、
「手を組んで、何かをたくらんでいた」
 ということもありえる、
 そんな場合は、その場で騒ぐことはなく、次の駅で、電車を降りるように促して、
「おじさん、悪いことしちゃいけないよ」
 といって、じわじわと脅しにかかる。
「こんないたいけな女の子を悲しませて、おじさん大人として恥ずかしくないのかね?」
 などと、言葉としては、若干優しめだが、実際には、追い詰めるかのように話をしてくる。
 こちらが、黙って下を向いて、何も言えないでいると、相手は、
「これはいける」
 と確信することだろう。
「このまま警察に駆け込んでもいいんだけど、そんなことをしてもいいのかな? おじさんにだって、仕事もあれば、家庭もあるんだろう?」
 と、精神的に揺さぶってくる。
「じゃあ、とりあえず、まずは、彼女に今日はお見舞金くらい出すのは当たり前だよな?」
 といって、男の財布にある金を巻きあげて、
「あとは、身分証明になるものをもらっておこうか?」
 ということで、免許証などを預かるというだろう。
 もちろん、こちらとすれば、免許証がないと、仕事ができないので、
「それは、ちょっと」
 といって、戸惑ったところで、男が、
「やかましいわ。お前がしたことを考えてみろや」
 といって、態度を一変させ、一気にまくしたてる。
作品名:本当の天才 作家名:森本晃次