悠々日和キャンピングカーの旅:⑭西日本の旅(山陰(後編))
その道中、小さな道の駅「うり坊の里katamata(山口県萩市)」が見えてきたとき、「うり坊」に釣られて小休止。
やはり猪肉が売られていて、これほど多くの猪肉が並んでいる店をこれまでに見たことはなかった。色々な種類の猪肉があり、実家向けの土産として買おうかどうか迷ったが、牛肉より硬く、多少の臭いもあることから、年老いた両親には不向きだと思い、購入せずに、道の駅を出発した。
港町の須佐でR191に合流し、再び山陰本線と並走して、海岸線や山間を走りながら、今夜の車中泊場所の道の駅「センザキッチン(山口県長門市)」に向かった。
その道中、道の駅は幾つかあったが、先を急ぐため立ち寄らず。既に夕方近くになっているため、萩観光も諦めた。途中で暗くなってきたので、萩市の先の三見(さんみ)ICから無料の山陰自動車道に乗り、時間を稼ぎ、三隅ICから先はR191になり、ナビの案内どおりに走ると、海沿いに見える立派な建物と広いスペースの道の駅「センザキッチン」に到着した。
道の駅のある仙崎は、日本海に面した青海島と本土の両側にまたがる砂嘴で形成された場所で、平坦な土地が広がっていた。ここは日本海側屈指の漁港であり、山口県内では下関漁港に次ぐ県内第二位の水揚げ高を誇る漁港で、そうなれば、その加工品の蒲鉾などの産地でもあり、戦後の引き揚げ港としても知られる存在だった。
この旅で立ち寄った「引揚記念館」のあった敦賀に続き、引き揚げ港だった仙崎にも立ち寄ったことで、今後、日本海側を旅する際は、比較的大きな港があれば事前に、引き揚げ港としての歴史の有無を確認することにした。
間もなく閉店になるタイミングだったので、急いで駅舎のショップに入り、夕食用の海産物を探したところ、刺身類は全て売り切れていた。ショップの人に聞いたところ、朝から多くの客が来ていて、何度も追加したが、売り切れになったとのこと。改めて、このショップを見渡すと、豊富な品揃えで、その中から焼き鯖を買った。今夜は「刺身定食」から「焼き魚定食」に変更だ。
それから情報センターに行き、青海島(おおみじま)の情報やマップを入手した。大学生の頃、2度ほど宿泊した「青海島ユースホステル」について訊いたところ、知らないとのこと。そもそも「ユースホステル」自体を知らない様子だった。明日、青海大橋を渡って、探してみることにした。ついでに、青海島の観光スポットを教えて頂き、そこも訪れることに決めた。最後に、立ち寄り湯を教えて頂き、夕食後に向かうことにした。
夕食は、焼き鯖をおかずに、汁物はインスタント味噌汁、少し寂しい感じがしたので、ご飯の上に親子丼の素を掛けることにした。
その準備の主役は電子レンジで、焼き魚をチン、冷蔵庫に入れていた炊飯した最後のご飯をチン、親子丼の素のレトルトパックもチン、さすがにインスタントの味噌汁用の湯はレンチンせず、コンロで沸かした湯を注いだ。
手を抜いた準備で完成した夕食だったが、美味しく頂いた。
この旅に出る前日、福岡県の実家に電話を入れていた。キャンピングカーで1週間位掛けて、山陰を走って里帰りするからと。
明日の予定は、青海島で半日滞在しても、山口県の海岸沿いを走り、夕方までに関門トンネルを抜けて、福岡県の瀬戸内海側の実家には確実にたどり着けると考え、その旨を実家に連絡した。ついでに、キャンピングカーをどこに駐車すればいいのか、その確認もして、最後に、夕食は実家で食べたいことも伝えた。
夕食が終わり、道の駅の情報センターで教えて頂いた日帰り湯のある「湯免温泉(ゆめんおんせん)」に向かうことにした。
仙崎湾やその湾に注ぐ三隅川(みすみかわ)沿いに走る県道の北浦街道まっすぐに東に向かえば、「湯免温泉」の看板が出てくるとのことで、ナビは使わず、入手したマップを見ながら走ることにした。ところが、走っても走っても、その看板は見当たらず、見落としたのかもしれないので、もう諦めようかと思った頃にR191に入った。そしてすぐに看板が見えた。この夜間走行は感覚的に、実際の距離より長く走っているように感じた。
R191の交差点を右に折れると、「湯免温泉」と書かれたアーチ看板があり、そこを通過した先は温泉街だと思ったのだが、ごく一般的な田舎道が続き、やっとヘッドライトの先に温泉館らしい建物が見えた。その隣が「大衆浴場 うさぎの湯」で、思いの外、小さな温泉で少々落胆はしたものの、その入口を見ると、営業時間は午後8時までで、もう終了していた。ここまで来て、湯に浸かることができないと途方に暮れていたところ、奥からスタッフが出てきて、道を挟んだ反対側の「ふれあいセンター」がまだ開いているよと教えて頂き、そちらに向かうと、午後9時までの営業時間だった。
この「ふれあいセンター」は、大浴場や露天風呂、打たせ湯などの温泉があり、館内には食堂やカラオケなどが完備され、館外にはテニスコートを含む公園もある日帰り温泉施設だった。今日の最後の客として湯に浸かり、広い温泉を貸し切ったようだった。
温泉に浸かってさっぱりしてからは、今度はR191を選んで道の駅に戻った。時刻は午後9時半を回っていた。広い駐車場の1/3程度は車中泊のクルマで占められていたが、それでも、静かさを選んで、駐車しているクルマが比較的少ない海沿いに「ジル」を停めた。その場所はトイレからはかなり遠いが、それでも最もベターな駐車場所だと判断した。
PCのスイッチを入れて、今夜はポケットWiFiではなく、道の駅の駐車場内でも有効な「NAGATO Free WiFi」に接続してみることにした。
先ずは、パラモーターのサークルのHPの更新処理を行い、NHK+でニュースを見ながら、今日の「旅のメモ」を書き始めたが、Free WiFi ではPCの処理速度が極端に遅くなるようで、途中からポケットWiFiに切り替えたものの、睡魔に負けてしまい、「旅のメモ」を書き終えることはできなかった。明朝、道の駅を出るまでに、書き終えることにしよう。
【今日の一言】 夜間走行は感覚的に、体感しているほど実際には距離を走っていない。