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症候群と秘密結社

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 目の前にあり、それがいかにその存在を感じさせないようにするということで、それこそまるで、
「秘密結社と入れ替わっていても、それを分からない」
 というカプグラ症候群のようではないか?
 そして、
「策を練る方は、自分がやられることに気づかないものだ」
 と言われるが、まさにその言葉通りということで、
「国家直轄の組織」
 というのは、
「こちらの人間を自分たちのロボットと入れ替わらせることに躍起になっていて、自分たちの方がされていることに気づかなかったのだ」
 というのも、
「ロボット開発を自分たちだけ成功させた」
 ということを分かっているつもりでいた彼ら組織であったが、
 実は、すでに、こっちもそれを完成させていたのだ。
 しかも、
「カプグラ症候群」
 という考え方にとらわれたため、
「彼らは疑心暗鬼と、恐怖とで、身動きが取れない間に作戦を進行する」
 ということの手始めが、
「女の交通事故事件」
 だったのだ。
 しかし、実際には、彼女が記憶喪失になったというのは、
「国家直轄組織の作戦」
 ということだったのだろうが、実は、彼女は、そもそも、警察の内偵組織の、
「おとり」
 ということだった。
 だから、実際には死ぬことがないようにしておいて、本当は大したことのない事故だったが、それを大げさに仕立てたのは、
「サナトリウム自体が、警察の内偵組織に、すでに蹂躙されていたからだった。
 それを分かっていることから、
「作戦の主導権は、すべて最初からこちらにあった」
 ということだったのだ。
 完全に、相手は
「交わることのない平行線」
 ということで、まったく同じ距離を保っていることから、相手には、
「動きがない」
 と感じさせる。
 それこそ、
「まったく同じ軌道で回る人工衛星を見ているようだ」
 ということだ。
「敵を欺くにはまず味方から」
 あるいは、
「木を隠すには森の中」
 さらには、
「一度調べたところが、一番隠すには安全な場所だ」
 などということわざを、日本人はいっぱい持っているではないか。
「その発想が相手には一切なく、それが、ロボット開発において、成功を収めることができた反動なのではないか?」
 ということであった。
 そういえば、この日本で存在している陰謀論。そのうちのいくつかは、
「相手を油断させるため」
 ということで、考えられた
「国家直轄の組織の作戦」
 ということであったが、
「それが功を奏した」
 という場面もあったが、結局は、それすら凌駕する作戦が、こちらにあったことで、
「結局、何をどうしても、結果は変わらない」
 といってもいいだろう。
「ああ、世の中、思ったようにはいかない」
 ということを、誰かが言ったとすれば、それは、この世界が滅びる時なのかも知れない」

                 (  完  )
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作品名:症候群と秘密結社 作家名:森本晃次