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最後の天使

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 ということであれば、何ら問題はないのだが、結果としては、
「犯人の自白」
 あるいは、
「自首」
 という形で解決したのだ。
「皆がすべて、痛み分けということで事件が解決したとしか思えない」
 というのが、樋口刑事の考えであり、
「実は私は結構前から、なんとなくわかっていたような気がするんですよ」
 と秋元刑事は言ったが、それはあくまでも、苦虫をかみつぶしたかのような印象でしかなかったのだ。
 ただ、事件が解明されるうちに、次第に分かってきたことがあったのだが、それは、彼女が、
「腹違いの兄弟だった」
 ということで。彼女としては、
「兄弟と契りを結んで、しかも、兄弟がそれぞれに相手を殺そうとしているところの手伝いをさせられた」
 ということで、かなり、まじめに悩んでいたということであった。
 ある意味、そういう意味では、
「一番気の毒だったのは、彼女ではないか?」
 ということで、
「後の二人は、真実を知らずに死んでいったのは、せめてもの、彼女の慰みではないだろうか?」
「そういう意味では、彼女って、天使なのではないだろうか?」
 と、三人は、
「裏捜査会議」
 の中で、それぞれに感じたのだった。

                 (  完  )
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作品名:最後の天使 作家名:森本晃次