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ニューワールド・ファンタズム

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俺、アリス、ディオンでその家に突撃する。この家では狭すぎて二刀流が使えない。片手剣も突進技が使用不可。通常技で対抗するしかない。俺達がその家に突撃すると中には椅子に縛り付けられたセナと土偶が。そして。
「《喰人》(グール)!」
「やっかいな……」
「けど、やるしかない」
「ギギギギギギ、グルァ!」
喰人とはつまり元人間。死体が動き出し人々を喰らう。特徴は意識消失と
「せあっ!」
「ふんっ!」
「ハア!」
体から生えている触手。しかも硬い。
「アリス、スイッチ!」
「了解!」
片手剣水平二連撃技《クランタル》。奴の触手を跳ね除け、細剣四連撃技《アンスト・シンク》。
見事に直撃。しかし、すぐに再生してしまった。これが一番の問題点だ。再生能力を上回る火力をぶつけるしかないのだが。
「ディオン、頼む!」
「任せたまえ」
ディオンが触手を防ぎ、俺は片手剣四連撃技《エクシア》で四肢を斬り飛ばした。再生したけど。
「これではジリ貧だな……」
シュッ!という音で触手が飛んでくる。片手剣反撃技《エンター》。
「こんの、野郎!」
片手剣水平斬り《エンタス》。片手剣刺突技《シュート》。片手剣六連撃技《パーティクル》。
スキルを繋げて連続攻撃。再生速度が鈍る。
「今だ!」
「セアアアアアアア!」
「破!」
片手剣上段単発技《スラスト》。
「ハアアアアアア!」
(イメージしろ……俺が知る最強の一撃を!)
父さんが見せてくれた――擬似
「?竜牙穿月(リュウガセンゲツ)?!」
本来は命を削る秘剣だが、効果まで再現されている訳ではないので勿論俺は何ともない。しかし意志力とでも言うのだろうか。闘気を纏った俺の剣は加速し、家ごとグールを叩き切った。
「今のはまさか、《勇者》の……」
ディオンの呟きに気付かなかった俺は剣を鞘に戻し、家を出る。
「うわぁ……」
やっちった。家を斬っちゃった。弁償だよなぁ。土偶も一緒に斬れたみたいだけど。
「家のことは気にしなくていいよ。元々誰も住んでいなかったし、補填もギルドがやってくれるから」
「ほ、本当ですか……?」
「うん」
「よかったぁ」
事件後、犯罪者クランに依頼したのは貴族階級の婦人だということが判明。その者の判決も出され、刑務所にぶち込まれた。
しかし動機がハッキリしない。最初は『あの女が悪いんだ。あの者が戦争の引き金になる。』とか言っていたのだが、後になると『何も知らない』と本当に忘れたかのように否定しだした。
まるで、操られていたのがいきなり自由になったような……。
これはなにかの始まりなのか……それとも、もう始まっているのか……。




      第三章《勇気あるスレイブ・《黒き剣士》》
 俺が街を歩いている時だった。その時、俺の身体から赤炎が溢れ出す。もちろん神威は持っていないし、金庫に入れたので誰かが抜いたというのもない。これは、何かに反応しているのか?
「やあ、ギルガメッシュ」
「は?」
 長い黒髪の女性。しかし今なんと?俺がギルガメッシュだって?冗談じゃない。
「あんた誰だ」
「おや、まだ記憶が戻っていないのかい?う〜ん困ったなぁ。ロゼラリアがそろそろ黙っていないと思うし。名前だけ名乗っておくよ。僕の名前は《エンキドゥ》。君のお嫁さんだ」
「はあ?」
「じゃあね」
そう言って彼女は姿を消した。俺の炎も静かに消える。
「何だったんだ。一体」
ピコン、ピコン、その音は冒険者カードから鳴っていた。その部分をタップすると
『今すぐ冒険者ギルドに来るように』
と表示された。内心戸惑いつつもギルドに向かう。
「アルタイルさん、こちらへ」
職員に案内され、入ったのはギルドマスターの部屋
「《黒き剣士》よ。君に強制任務が発令された」
「え?」
マスターから言われたのは意味不明の言葉だった。強制任務、つまり拒否権なし。
「一体誰から……」
「愛と平和の女神。《ロゼラリア》」
「ロゼラリア……」
あの騎士の主神。
「依頼内容は《ブリタニア王国》の救出」
「ブリタニア王国っていったら……」
「ああ、神の加護を受けず、《科学》で国防を行っている自衛国」
「そんなところで一体何を」
「ブリタニア王国は未だに奴隷制を行っている唯一の国。国防も彼らに一任されている」
「無茶なことを……」
「そしてそれを勧めている者こそが、ロゼラリアなのさ」
平和と愛の女神が奴隷制度を?――マジで?
「第一、 そんな国なら俺は何をしろって……」
「戦線に加われとのこと」
「……はあ?」
次の日俺は《アースリア》を出る。
 
 王国北部戦線第一戦団隊長。通称《ブレイバー》
 「コードゼロワンより各機。間もなく接敵。戦闘準備」
『二番隊了解』
『三番隊了解』
『《ブレイバー》、今回の敵は?』
「大型モンスター《レッドドラゴン》」
『そうか。…総員神経接続開始』
二番隊隊長コードネーム《ブライト》。俺を含む全員が首の後ろにある装置を座席の装置に繋げる。
『神経接続完了。網膜投影開始。……完了。機体OS起動。PS -68《セルウス》。起動。』
「起動コードPZAX7」
『認証。』機械からの音声。
「王国北部戦線第一戦団隊長。コードネーム《ブレイバー》。」
『起動完了』
「エイル・ローグ、《セルウス》、出る」
王国所属人型歩行戦闘機PS-68《セルウス》。モンスターに対抗するために人間が造ったもう一つのモンスター。神経接続システムにより思った通りの動きを補助する。
しかし鉄で造られた巨人は余りにも複雑。そして脆い。速度を活かす為に削った装甲。
そこで王国の女たちは俺達《スレイブ》を乗せることにした。それにより人的損害は皆無。死んでいるのは家畜のみ。
「……ふざけるなよ」
操縦桿を握り締め、背部エンジンの出力を上げる。
「AZ-67振動長刀起動」
背部に格納された長刀を機械の腕が握る。
「……せあっ」
竜の首を斬り飛ばす。
そこには竜の首以外にも他の《セルウス》や小型機動兵器PS-67《ロディオン》の残骸が横たわっていた。俺が到着するまでに死んだ仲間の分だろう。絶命三十二。重傷六十七。
「……」
俺は王国機構大隊中佐。コードネーム《ブレイバー》。
本名《エイル・ローグ》。そしてもう一つの異名は《死神》。




「ここが、ブリタニア王国………」
 この世界の技術力は国によって大きく異なる。とはいえこの国には機械というものまであるらしい。そんなことを考えていえると、バシッと俺の背中が叩かれる。
「よ、アルタイル」
「師匠、それにアリスも」
「他にも《マティリス・クラン》の人は来てるよ」
「ようこそ。王国へってな」
師匠が笑ったその矢先。
「さっさと歩きなさい!」
まるで言うことを聞かないペットを躾けているようだが。その首輪が付いているのは――人間だ。
「あんた、何を……」
俺が止めようとした時、肩が掴まれる。
「なんで止め……」
「これがこの国のルールだ。俺達が首を突っ込むことじゃない。」
「なっ……」
「……分かってくれ」
「アル」
「ふざけるな……!それが、人が人を踏みにじっていい理由に、それを正当化していい理由には、ならないだろうが!」
「……すまない」
「………それでなんで俺がここに呼ばれたんだ」