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居なくなった人たち

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続・居なくなった人たち その1


娘二人は東京での暮らしとなる。
私たち夫婦と母と三人の生活が始まった。
休みになると娘たちは帰省し、目を見張るばかりに美しくなった彼女らを誇らしく思ったものだ。
ストレートに入学した長女とは裏腹に、回り道をして大学に進学した次女は地道に学業に専念する大学生活を過ごし、最優秀の成績で学部を卒業、つづいて大学院修士も終了した。

夫は入学式に参列し、私は卒業式に上京した。
今までの過酷で苦しかったことが嘘のような気がした。

その時思ったのは人生は山あり谷ありで、谷底に落ちたからと悲観することもなくまた、良い風が吹いてきたからといって傲慢になってはいけないということだ。まさに塞翁が馬。

私の家族が大変だった当時、幸せいっぱいで私や子供に掌を返したように軽蔑していた家族が谷底に落ちるのも見た。だがその家族のことを自分に向けられたと同じように見てはいけないと思った。

作品名:居なくなった人たち 作家名:笹峰霧子