居なくなった人たち
その10
次女は受験の為神戸の予備校へ行き、そのツテでアメリカの大学へ仲間と一緒に旅立って行った。
私をはじめ夫と母の三人はこのころ少しほっとしていた。
次女は外国の大学ではうまくいかず一年後帰国し、しばらく家でアルバイトをしながら過ごしていた。
一年後元いた神戸に下宿して予備校に通っていた。
神戸滞在中の年の暮れ、早々と家に帰っていた。
そのころには勉強意欲はいよいよ増して夜中まで集中して勉強していた。
正月を過ごしいざ神戸の予備校へ戻るはずの日が間近のとき、震災が起きたのをニュースで知った。
そんな中娘はひとりで東京へ受験に旅立った。