相性の二重人格
というものはどうなのであろう?
今まで、身体を重ねた、
「静香」
と、
「郁美」
この二人は、とても、
「正反対の相性」
とは思えない。
どちらかというと、二人に対しては、
「さほど変わらないような相性ではないだろうか?」
と感じていた。
しかし、郁美という女が、
「気持ちをぶつける」
ということのように、
「相性のおしつけ」
というものが感じられた。
「ふくよかさ」
という意味では、郁美の方が強いが、
「精神的な余裕」
ということでは、静香に勝るものはない。
そう考えると、
「どちらも捨てがたい」
と感じるのだ。
「すると、義母に対しては、どのように感じることになるのだろうか?」
と思うと、自分と郁美の血がつながっているということが分かる気がした。
「そうか、親父は、ずっと、義母のことが好きだったのかも知れない」
と思い。
「相性の二重人格」
という考えは、
「親父からの遺伝」
ではないのか?
と感じるのであった。
( 完 )
64