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真実と事実の絡み

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「奥さんのことを問い詰めよう」
 などと思ってもいなかった。
 彼は、奥さんのことなど眼中になく、とにかく、
「川端社長と遭って、話をしよう」
 と思ったのだ。
 貝塚社長は、それだけ、
「川端社長のことをライバル視していた」
 ということであろう。川端社長も立場的に、貝塚社長に対してコンプレックスを持っている。
 だから、川端社長が、奥さんと仲良くなったのも、そのコンプレックスのせいだといってもいいだろう。
 奥さんである美穂は、そのことを最近になって気づき始めた。
 ちょっとしたことで、川端の気を引こうとしたり、貝塚に変な気を遣ったりした。
 そして、二人を天秤に架けて、自分なりに何かの結論を見出そうとしたのだろう。
 しかし、それぞれの関係の中の、
「二人の関係というものが、三すくみであったり、三つ巴のような考えにいたる」
 というようになると、この場合の発想が、
「一つ一つの関係が事実であり、三すくみのような、辺のような関係を、真実として考えることになるだろう」
 と思うのだった。
 事件は、次第に解決に向かってくるのであるが、美穂が、一体この事件の、
「事実」
 というものを、そこまで知っていたというのか?
 それが、この事件の真実なのかも知れないが、
「真実が、本当にすべての事実の積み重ねだということになるのだろうか?」

                 (  完  )
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作品名:真実と事実の絡み 作家名:森本晃次