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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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石のきおく

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「まことを呼んだのは、食べ物を買ってきてほしいからなんだ。おなかすいちゃって」
「はあ?」
 なんだい。さっきの泣きそうな声の「助けて」ってのは、こんなことか!
「生の肉なら、冷蔵庫にあるだろ?」
「肉はきらいだ。ポテトチップがいい」
 ヘンなティラノザウルスだ。好みはタケルのまんま……。そうか、変わったのは外見だけなんだ。
 ぼくはひとっ走りコンビニに行って、ポテトチップをたくさん買ってきた。気は心で、バーベキュー味のやつを。
 ばりばりばりばりばりばり……。大きな口、鋭い牙、食べ方も豪快だ。あっという間に十袋平らげちゃった。
「もっと」
 さすがティラノザウルスだけある。ポテトチップくらいじゃ物足りないんだ。
 ぼくはコンビニやスーパーを何軒も回ってポテトチップを買いあさった。だけど、食べても食べてもお腹いっぱいにならない。
「これじゃどうしようもないじゃん。。元にもどることを考えようよ」
って言っても、タケルときたらちっともいうことをきかない。けっこうがんこだ。
「せっかく恐竜のからだになったんだもん。いい研究材料じゃないか」
 恐竜好きもここまでくるとあきれるよ。
「でも、このままってわけにはいかないよ」
 ぼくは軍手をすると、石を持って立ち上がった。
「どこへ行くの? まこと」
「学校。田中先生に相談するんだ。タケルは待ってて。ぜったい外に出るなよ」
 ぼくはタケルに念を押すと、学校に向かった。担任の田中先生なら、理科が専門だし、力になってくれるかもしれないから。
 ところが、途中でいやなやつに会っちゃった。乱暴者のテツオだ。
「お。まこと。なにもってんだよ」
 すぐに人の物をほしがるテツオは、案の定ぼくから石を取り上げようとした。
「だ、ダメだよ。これをさわっちゃ」
「うるさい。みせろよ」
 力ずくじゃかなわない。石はたちまちとられてしまった。でもそのとたん、テツオはサウロロフスに変身しちゃった。
「うわ。おかあちゃーん」
 テツオは泣きながら走っていった。
 犬の散歩でたまたま通りかかった女の人がそのようすを見て悲鳴を上げた。しかも石は犬の前に転がって、犬が鼻先をくっつけたらプロトケラトプスになっちゃったんだ。
 足もとで甘えるプロトケラトプスから逃げようと、女の人はきゃあきゃあ言いながら走り回った。
作品名:石のきおく 作家名:せき あゆみ