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老人の喜怒哀楽

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怒 その1


怒りの気持ちは誰にでも心底にあって、何か不条理な感情を抱くとそれが表情にでるか口に出すか、それともポーカーフェイスで何事もなかったように振る舞うかのどちらかになる。

後者は温厚な人、いつも同じ態度で接してくれる人としてみなされる。
だがそれは違う。
私はどちらかといえば後者に属するが、実はそうでもないということを知っている。他者が勘違いしているだけのことだ。
あの人は天然だ、と言われている人ももしかしてそうなのかもしれない。

脳がまともに発達し常識ができると過激な感情を顕わにしないのが正常な人間だ。短気なのは性格ではなく、脳の何処かの損傷である。
その証拠に、穏やかで優しく思われていた夫は脳梗塞になった途端、人間を脱して虎のような猛獣に化したのだから。

作品名:老人の喜怒哀楽 作家名:笹峰霧子