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時代に曖昧な必要悪

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この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、場面、設定等はすべて作者の創作であります。似たような事件や事例もあるかも知れませんが、あくまでフィクションであります。それに対して書かれた意見は作者の個人的な意見であり、一般的な意見と一致しないかも知れないことを記します。今回もかなり湾曲した発想があるかも知れませんので、よろしくです。また専門知識等はネットにて情報を検索いたしております。呼称等は、敢えて昔の呼び方にしているので、それもご了承ください。(看護婦、婦警等)当時の世相や作者の憤りをあからさまに書いていますが、共感してもらえることだと思い、敢えて書きました。ちなみに世界情勢は、令和6年5月時点のものです。お話の中には、事実に基づいた事件について書いていることもあれば、政治的意見も述べていますが、どちらも、「皆さんの代弁」というつもりで書いております。今回の事件も、「どこかで聞いたような」ということを思われるかも知れませんが、あくまでもフィクションだということをご了承ください。実際にまだ標準で装備されていないものも、されることを予測して書いている場合もあります。そこだけは、「未来のお話」ということになります。

                 プロローグ

 車を持っていない柏木聡子は、会社から家に帰るためには、私鉄の急行電車で、3駅ほど乗って、最寄の駅まで帰り、そこからは、駅前のロータリーから路線バスに乗り、帰宅することになっている。
 会社の駅から最寄駅までは、大体20分くらいというところか、
「来年になれば、停車駅が一つ増える」
 ということで、
「そのうち、各駅停車と変わらなくなるんじゃないか?」
 といわれるほど、停車駅が増えてきている。
「付近の住民からの要望」
 ということなのか、それとも、
「状況客が想定よりも増えてきた」
 ということなのか、そのどちらもという気がする。
 そういえば、最寄駅からの路線バスも、経路が増えてきている気がする。それだけ、
「住宅地が増えてきている」
 ということになるのだろうか。今の時代に、人口が極端に増えるわけはない。何といっても、
「少子高齢化」
 というではないか。
 ということは、都会では、暮らすのに不自由ということであろう。
 それは、土地の値段の問題というよりも、もっと切羽詰まったところでの、
「物価の上昇」
 ということにあるだろう。
 ベッドタウンと都会とで、それほど物価が違うというわけでもないだろうが、結局ここでも、土地の問題からか、商店やスーパーなどが、都心部から、どんどん、ベッドタウンの郊外型になっている。
 それは、かなり前からの影響だが、そうなると、本当に都心部での生活はできないと追ってもいいだろう。
 学校もどんどん廃校になったり、合併したりと、いわゆる、
「ドーナツ化現象」
 ということで、都心部は、
「まるで、ゴーストタウン」
 ということになる。
 何しろ、いまだに、昭和の商店街が、駅前などにはあったりする。
 それは、
「商店街を新しくして、活性化させる」
 という発想を通り越して、今まであった店の半分近くは、郊外に移った、
「大型商業施設」
 の中にあるテナントとして、起死回生を願っているようだが、実際には、テナントというのは、
「ほとんどの店が、1年以内くらいに、入れ替わっている」
 といってもいいだろう。
「大型商業施設ができた」
 といっても、地元の人にとって、待望の施設だったということで、開業当初は、相当な混雑から、ニュースになったりするだろう。
 もちろん、施設側の商業戦略から、宣伝もかなり行われ、そのおかげで、最初の1カ月くらいは、交通渋滞は致し方ないといってもいいだろう。
 だから、人混みが嫌いな人は、
「一か月近くは、近寄れない」
 ということで、
「ほとぼりが冷めてから、ゆっくり行ってみよう」
 ということになるのだ。
 中には、
「それじゃあ、バーゲンが終わっちゃう」
 という人もいるが、冷静に考えている人はそんなことは思わない。
 確かに、なんでも安いかも知れない。しかし、それを狙ってくるのは誰もが同じことで、
「駐車場に入るために、満車の状態から、数時間待たなければ入れない」
 という状態を我慢できるか?
 ということである。
 特に家族連れなどの場合、普通の精神状態になれるというのだろうか?
 普通の公共交通機関で来た人は、表の道を普通に歩いて店に向かっているではないか。確かに、人込みで、電車の中はラッシュだったかも知れないが、駅やバス停に着いてしまえば、あとは、
「ラッシュで歩く隙間もない」
 などということはないのだ。
 そんな人を横目に見ながら、見送っている。一人であれば、まだしも、数人いれば、一人は必ず、いら立ってしまって、怒り出す人がいるのも当たり前のことだ。
 そんな中、一番どうすることもできずイライラしているのは、運転手であろう。
 そんな時に限って、必ず一番冷静さを失っている人は、運転手のその憤りをぶつけることであろう。
 そうなれば、完全に収拾がつかなくなり、
「もう、二度といかない」
 ということになるのが、オチではないだろうか?
 しかも、問題は、女性である。
 もちろん、男性も同じだが、これは、車のラッシュの場合にいつも問題になることであるが、それが、
「トイレ問題」
 ということである。
 ゴールデンウイークや、お盆、年末年始などの、
「帰省ラッシュ」
 などという時、有名高速道路の混む地点では、
「最高50キロの渋滞」
 などという恐ろしいことになることが多い。
「50キロというと、時速100キロで走っても、普通に考えれば30分は掛かるところである。しかも、その距離を実際の土地の間で考えれば、相当な距離であることは分かるというものだ」
 鉄道でいえば、新幹線の一駅区間だけではすまなかったりする。それを考えれば、ただでさえうんざりするということで、実際に、
「帰省ラッシュに遭ったことがない」
 という人でも、ニュース映像などを見ると、どれほどのものか、想像もつくというものだ。
 そんな時、問題になるのは、やはり、
「トイレ問題」
 といえるだろう。
「男だったら、途中で買っておいたペットボトルの中にでもすればいい」
 と、
「まるで尿瓶替わり」
 という言い方を女性はするだろうが、男性でも結構問題である。
 しかし、女性の場合はそうもいかない。うまく、サービスエリアに入れたとしても、そこのトイレには長蛇の列、見ているだけで、
「このままなら、0分近くは掛かる」
 ということになるだろう。
 しかも、離尿作用というのは、
「一度我慢してしまうと、次までは、まったくの猶予を許さない」
 ということで、すぐまた、トイレに行きたくなるというのは、しょうがないことではないだろうか?
 そうなると、
「運転手のストレス、女性のトイレ問題。さらには、子供であれば、そういう圧迫された状況に置かれると、まるで、閉所恐怖症のように、精神が病んでしまうことだってあるかも知れない」
 そうなると、
「帰省ラッシュは、地獄でしかないのだ」
 ということになるだろう。
作品名:時代に曖昧な必要悪 作家名:森本晃次