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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
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軽い終末論(続・おしゃべりさんのひとり言195)

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太陽由来エネルギーは太陽エネルギーそのものとは違う。
原始の時代から人類が利用してきたエネルギーのすべて(原子力以外)がそれにあたる。
川をいかだで下るのに、水の流れの力を利用するし、帆船で海を渡るには風の力を利用した。
凧を上げるにも風力が必要で、飛行機で空を飛ぶには燃料を使う。
これらすべて太陽が作り出すエネルギーって訳です。
日光で温められて水が蒸発して雨になって降り注いで川ができ、熱の対流で風が起き、日光で植物が育って長い年月を経て化石燃料になる。
だから地球上のほとんどのエネルギーは、太陽がないと作られないんです。
地球の引力でさえ、太陽があったおかげで、地球が形作られて重力が生まれたんだから。
それで問題の化石燃料ってやつは数百万年~何億年もかけて作られて、地面の下に溜まってるんです。
薪を燃やして火を起こしてた時代とは違って、現代は化石燃料全盛の時代です。
産業革命以降の300年、ずっと人類は石炭や天然ガス、石油などの化石燃料を使用しています。
それが無くなったらどうなるんだろう?
僕が子供の頃、世界の石油は、21世紀になるまでに枯渇するって噂されていました。
でも、今もありますよね。
汲み出す技術が進化して、当時は採掘不可能だった場所からも石油が採れるようになったからですけど、そのうち汲み出すことが不可能な領域にしか存在しなくなると思いませんか?
じゃ、今までどれくらい消費してきたの?
人類が世界中で消費する、たった一日分の化石燃料は、過去数千年かかって生成された分量に匹敵するらしいです。
それをたった一日で使っちゃってるんだよ。ずーっと毎日、ずーっと休みなく。こりゃ足りんな。
(単純計算で、5億年間蓄積された分の資源を、毎日三千年分ずつ消費すれば、450年くらいで枯渇する。全部採掘できるなら、まだ150年分くらいの余裕はありそうだけど)
世界の化石燃料が枯渇することは、間違いない既定路線だそうですが、こんな話誰か危機感持って話されていましたか?

「そうなったら、太陽光発電すればいいじゃないか」って意見が出ると思います。
風力も水力もなんでもいいから発電できるじゃないですか。
電力だけで考えたら一見可能そうに思えます。それに原子力より安全なエネルギーの生産方法です。ところが・・・
アメリカって大国は、その一国で実に全世界の15%もの発電量を誇ります。
それだけ自国内での電力消費が大きいということです。
でも、その7割は火力発電なんです。
石油生産量では世界一位、天然ガスでも一位だからこそ、そんなことが可能なんでしょうけど、それが無くなったらどうする?って話を今しています。
それらに代わるシェールガスとかシェールオイルの採掘は、人件費の高騰等によるコスト上昇によって、事業から撤退する企業も増加してますからね。
つまり化石燃料なしで、全世界のエネルギーが賄えるでしょうか?
代替発電手段を全部合わせても、火力発電の総量には到底追いつきません。
それくらい全世界でエネルギー産出に化石燃料を消費しているんですって。
現実の話、全世界の文明を支えている化石燃料を代替するだけのエネルギー源が他にないのです。
これからがんばろうって言う太陽光発電で生産できるエネルギー量なんて、過去に太陽由来で蓄積されてきた化石燃料から取り出せるエネルギー総量に比べれば、ほんのお遊び程度の代物です。

もし本当にその化石燃料が枯渇してしまったら、どうするかって?
世界中にあるプラスチック製品を燃やすしかないですね。
その次は、多分樹木を燃やし尽くすでしょうね。
全世界から一本も木が無くなってしまうでしょう。
その頃にはもう、文明を維持するなんて考えは無くなってしまうでしょうし。
そうしないと生きていけないからです。
その後は草を干して燃やすでしょ。
そのあとは?
野生動物もエサが足りなくなって死滅していきます。
食べるものにも困って人口はどんどん減少。
やがて・・・。

これは無茶な予想ではない気がします。
現にイースター島では、樹木を使い切ったことを発端に食人行為まで行われ、人がいなくなった歴史があります。
グリーンランドでは、厳寒期が何年も続いて凍り付いた島から船を出せず、暖を取る薪も無くなって、やがて家畜や犬まで食べつくして、移民の街が全滅した事実があります。
一方、未来はどうなるのか想像してみると、人類一丸となって100%太陽光発電で運用できるようなスペースコロニーを衛星軌道上に建設できたとしても、地球に住む人々を見捨てて切り離すかも。
火星移住計画が実現できたなら、わずかな人類だけがそこで細々と火星の資源を採掘して生き残れるかも。
そんな技術を獲得したなら、(火星や他の星からエネルギー資源を採掘して、地球に持ってくればいいじゃないか!)と思うでしょ?
とんでもない、そこまで行くだけで、持って帰って来るエネルギーの数倍の燃料を必要とするんですよ。
もう詰んでるでしょ。
そうならないためには、全くの希望的観測ですが、現在採掘不可能な領域にある化石燃料を手に入れる技術を開発して延命するか、まだ想像だにしない未知のエネルギーを発見するしか手はなさそうです。

最終的に、化石燃料って言う貯金を使い切ったら終わり!って未来しか、僕は思いつきませんでした。
なんか・・・先行き不穏になってきたビジネスと一緒みたいな気がしてきます。
僕は(奇跡でも起きないかな?)って、いつも考えてきました。
トラブルなんて仕事以外にもありますし、目の前に心配事はいろいろありますからね。
それで集中力を維持して、チャンスを逃さない。それで何事も、結構うまく打開してきたんですけど、人類滅亡ってテーマでも、全人類が私利私欲じゃなく、一つのことに協力できれば、なんとかなるかもしれませんよ。
さもないと化石燃料の枯渇から始まるって僕のシナリオ、もし外れるとしたら、早期に文明を放棄して、産業革命以前の生活にシフトするしか・・・。(それじゃ文明崩壊と同じだな)
でも、世界の終わりとか人類滅亡とかより、よっぽどマシなんじゃないかな?
なんてことを軽~く考えています。
「どうせ重たく考えて何を心配したところで、僕にはどうすることもできないんだから」
ふと我に返ったら、こういうふうに世界の終わりを“危惧だけ”している人が世界中に多いのかって理解した。
みんな軽いわ~。


     つづく