小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

真実探求

INDEX|1ページ/16ページ|

次のページ
 
この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、場面、設定等はすべて作者の創作であります。似たような事件や事例もあるかも知れませんが、あくまでフィクションであります。それに対して書かれた意見は作者の個人的な意見であり、一般的な意見と一致しないかも知れないことを記します。今回もかなり湾曲した発想があるかも知れませんので、よろしくです。また専門知識等はネットにて情報を検索いたしております。呼称等は、敢えて昔の呼び方にしているので、それもご了承ください。(看護婦、婦警等)当時の世相や作者の憤りをあからさまに書いていますが、共感してもらえることだと思い、敢えて書きました。ちなみに世界情勢は、令和6年5月時点のものです。お話の中には、事実に基づいた事件について書いていることもあれば、政治的意見も述べていますが、どちらも、「皆さんの代弁」というつもりで書いております。今回の事件も、「どこかで聞いたような」ということを思われるかも知れませんが、あくまでもフィクションだということをご了承ください。

                 勾留中にて

 事件が起こったのは、今から三カ月前のこと、一人の女性が、遺書を書いて、自殺を図ったかのように見られた。
「勾留中による死亡」
 ということで、マスコミも結構騒いでいた。
 というのも、まだ彼女は、あくまでも犯人ではなく、重要参考人という立場から、取り調べが行われた中で、警察から、
「証拠隠滅や逃亡の恐れあり」
 という理由にて、裁判所に逮捕状請求が行われ、
「逮捕状発行による逮捕」
 ということであった。
 逮捕された彼女は、抵抗らしい抵抗はほとんどなく、おとなしいものだった。
 それだけに、
「逮捕勾留というのは、正しい判断だったのか?」
 ということで、警察の対応を糾弾するかのような新聞記事が主流だったのだ。
 確かに、逮捕されただけで、
「その場で自殺をする」
 という人は、ほとんどいないと考えられる。
「最初から、自殺を考えていた」
 ということであれば、犯行を犯した時点で、自害を考えたことだろう、
 何も、警察に捕まるまで待つという必要もないわけで、警察というものの取り調べの厳しさによって、衝動的に自殺をしたということも普通は考えられない。
 なぜなら、警察は勾留する時、所持品なども当然、入念に調べるということだってするだろう。
「思い余って自殺」
 という人も、可能性としてはゼロというわけではない。
 また、逆に、
「容疑者に、このまま死んでもらいたい」
 と考えている人がいたりして、お弁当を差し入れてきた人が、
「その中に毒を混ぜる」
 などということをして、殺害せしめんとしたことも、昔にないわけでもなかった。
「容疑者には、容疑者のまま死んでもらおう」
 ということを考えたり、
「警察で取り調べを受けている時、真犯人が、自分にとって都合の悪いことを喋られると困る」
 ということでの殺害ということである。
 しかし、それも、
「持ってきた人物は分かっているのだから、持ってきた人が最初に疑われるのは分かり切ったこと。そうではないとすると、なかなか難しい犯行であり、実際には、殺人未遂くらいにとどめておいて、それよりも、被疑者にしゃべるなということを言いたいだけであれば、それだけで、脅しとしては十分だろう」
 今回は、いろいろ調べてみるが、
「自殺に間違いない」
 という警察の見解だった。
「服毒自殺」
 ということで、問題は、
「その毒をいかにして持ち込んだか?」
 ということであるが、調べてみると、
「よく、ミステリー小説に多雨飼われる手口」
 ということで、
「金歯を仕掛けた奥歯を思い切り噛むことで、毒薬が口の中に充満する」
 というやり方だった。
 それにしても、不思議なことはたくさんあった。
 そもそも、彼女は、容疑者ということで、逮捕状が出て、逮捕されたわけではあるが、あくまでも、
「動かぬ証拠」
 というものが確定しているわけではない。
 逆に焦っているのは警察の方で、
「容疑者を取り調べている間に、動かぬ証拠というものを探さないといけない」
 ということになっているのだ。
「警察も検察も。逮捕してからが難しい」
 といっている人もいた。
 つまり、
「警察の仕事は逮捕するまで」
 ということではなく、
「容疑者を被疑者にする」
 というのが仕事なのだ。
 犯罪が起こって、初動捜査が行われ、状況証拠を固めるために、被害者の身元を調べたり、犯行現場から、犯人に繋がる証拠、つまり、
「物的証拠」
 というものを確定させる必要があるということである。
 その物的証拠と、状況証拠から見えてくる、
「動機」
 さらに、死亡推定時刻の確定から、
「利害関係のある人たち」
 あるいは、
「動機があると目された人たち」
 それぞれの、アリバイが調べられるということになるだろう。
 もちろん、
「アリバイがある」
 という人間は、捜査線上から消えて、いわゆる、
「シロである」
 ということになる。
「動機があるかどうか?」
 というのが一番の問題で、
「たとえ、アリバイがない」
 といっても、動機がないのであれば、その人間を容疑者とすることはできないというものだ。
 それこそ、因果関係のないということで、
「衝動殺人」
 であったり、
「愉快犯」
 などという、犯人の精神状態が疑われるというような犯罪でもなければ、考えられないということで、基本は、
「動機あっての犯罪」
 ということになる。
 その動機というものにも、いろいろあり、
「復讐」
「金銭トラブル」
「金銭奪取のためのやむを得ない犯行」
 この場合は、
「身勝手な犯行」
 と裁判でみなされることが多いだろう。
 警察は、
「動機がしっかりしている」
 ということ、そして、
「動かぬ証拠」
 ということでの、
「物的証拠」
 というものを最終的に、
「逮捕勾留期間において確定させ、それを検察官が起訴する」
 ということで、
「警察から、裁判所に送検されることで、いよいよ刑罰が決められる」
 という方向に向かうのだ。
 それがいわゆる裁判というものであり、検察官と弁護士との闘いを、裁判官が裁くということになるのである。
 当然、検察が起訴するに至った証拠や動機というものについて、検察が攻めることいなるが、弁護士は、
「依頼人、つまり、被疑者の利益を守る」
 ということが一番の目的だということで、被疑者との間に事前の打ち合わせが行われ、作戦が寝られることになる。
 その時に問題になるのが、
「被疑者が、どれだけ本当のことを言うか?」
 ということである、
 確かに、警察、検察、裁判において、つまりは、
「弁護士以外」
 というものに対しては、
「被疑者の権利」
 ということで、
「黙秘権」
 というものが認められている。
 それは、
「自分に都合の悪いということを供述しないでもいい」
 ということで。
「しゃべってしまうと、自分に不利益になる」
 ということである。
 これは逆に、
「しゃべると、すべて証拠として取り上げられるということを意味している」
 ということである。
作品名:真実探求 作家名:森本晃次