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ぴょこぴょん

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夕方、あやのお迎えの時間だ。
あやの父・息子が迎えに行く予定だが、その後、頼まれているゆいなの保育園へのお迎えがある。
距離もあるが、週最後の金曜日なので 持ち帰るものは多い。
通園バッグ、お着替え入れ袋、うわばきシューズ、お昼寝布団・・かなぁ

私は 自家用車に息子とあやとを乗せると、保育園に向かった。
駐車場は お迎えのママたちの車が数台停まっていた。
「一度、園内に一緒に行ってもいい?」
「そうだね、頼むこともあると思うから覚えてくれると助かる」
私のワクワクと少しの緊張感が足元を弾ませた。
いや、本当は 雨で地面が緩んでいた所為だろう。

ぴょこぴょん

息子の保育士さんとの慣れた挨拶の横で 私は少し照れた頭を下げた。
「ゆいなの祖母です。宜しくお願いします」
「はい、伺っています。こちらこそ」
夫婦がどうしても迎えに行けない時、急なお迎えが必要な時、私の出番もあるかもしれない。

何も証明書を持たない者には 面識は大事な事項である

「ゆいなちゃん、おむかえですよぉ」
保育室の中、元気に立ち上がりこちらに向かって来る様子に目尻は下がっているんだろうなぁ
「さようなら」
「さようなら」 挨拶も完璧だぁ
「「ありがとうございました」」
外通路に用意された物掛けから ゆいなは荷物を取り集め、うわばきシューズを母手作りのシューズ袋にしまい、自分のスニーカーを地面に置いて履いた。
何気ないそんな光景に しばらくぶりに見る孫の成長を感じ、瞼の奥をつぅぅんとさせる・・ほどではなかったが 微笑ましくて 嬉しくて 小さな体が誇らしく感じられた。


作品名:ぴょこぴょん 作家名:甜茶