ぴょこぴょん
「ゆいな、荷物は持ってあげようか。おばあちゃんと手を繋いでね」
お父さんの言葉に 小さな手が私の手を求め 柔らかな小さな温もりが掌におさまるとほっそり伸びた指が力強く私の指に絡まってきた。壊さないように握りしめた。
「じゃあスキップするよ。できる?」
えっ・・・
私を誘う?
「こうするんだよ」
わかってる・・・
ここは ほらぁ
弾んで 弾んで――
右とんとん 左とんとん 右とんとん 左とんとん 右とんとん 左とんとん
お手手繋いで――
右とんとん 左とんとん 右とんとん 左とんとん 右とんとん 左とんとん
身体弾ませて――
右とんとん 左とんとん 右とんとん 左とんとん 右とんとん 左とんとん
歩幅揃えて――
右とんとん 左とんとん 右とんとん 左とんとん 右とんとん 左とんとん
おっきいのとちっちゃいのが――
右とんとん 左とんとん 右とんとん 左とんとん 右とんとん 左とんとん
笑顔が零れる。保育室から見られているかなぁ
後ろから息子の声が「ばあちゃん大丈夫かぁ ゆいなぁ~」
「楽しいよねぇ」
右とんとん 左とんとん 右とんとん 左とんとん 右とんとん 左とんとん
駐車場についても 身体がまだ楽しんでいるように ゆいなは弾む
ぴょこぴょん ぴょこぴょん ぴょこぴょん
車中で待つあやが 窓越しにゆいなを見ている。
「はい。ゆいちゃん おしまい」
ぴょこぴょん
「ゆいな~ おかえり」
ふたつの笑顔が 夕暮れなのに明るかった。
―了―