小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

「共犯の因果応報」と「一周回った完全犯罪」

INDEX|19ページ/19ページ|

前のページ
 

 と思っているのだろうが、そんなことをする必要などないはずなのに、それをしてしまったことで、
「因果応報というのは、疑心暗鬼が作り出した妄想だ」
 ということだ。
「この二つの事件が連続殺人だ」
 ということに、
「疑問を持っている」
 とわざと捜査員に思い込ませ、その考えが、結局は、
「その人間を隠れ蓑に、隠す」
 ということになり、それが、
「念には念を入れた」
 ということになるのだろうが、結局は。
「共犯と疑われることで、一事不再理というものを覆されてしまえば、元も子もない」
 ということになってしまうことを恐れたのであった。
 ここまでいうと、
「真犯人は、清水刑事」
 ということになるのだ。
 二十年前の事件も、考えてみれば、結局最後は曖昧になり、
「額面通りの解決」
 ということにしかならなかっただろう。
 そこで、結局は、
「鈴木刑事も辞めてしまう」
 ということになったが、それは、清水刑事にとっては、計算外ではあったが、
「自分としてはありがたい方向に向かってくれた」
 ということであった。
 しかし、まさか、二十年経って、一周回ってきたと言えばいいのか、その鈴木刑事が、
「因果応報の原因になる」
 とは思ってもいなかったのだ。
 清水刑事は、これを、
「完全犯罪だ」
 と思っていた。
 清水刑事が考えている完全犯罪というのは、
「もろ刃の剣」
 であり、それが、
「小説やドラマではありえるが、実際にはありえない」
 という、
「交換殺人」
 という理論ではないかと思うのだった。
 だから、今回の清水刑事の計画として、結果として、
「交換殺人」
 というものを自らで作り上げようとして、無理があった。
 ということで、因果応報に向かったということになるのだろう。
「共犯というものは、完全犯罪には不可欠なものなのかも知れないが、それが、結局は、すべてにおいて、一周回ることで、因果応報へと結びつくということになる」
 ということなのであろう。
 そして、事件は急転直下で解決し、世間からは、
「ずさんで最低の犯罪」
 と言われるようになったのだった。

                 (  完  )
64