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もろ刃の剣の犯罪

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この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、場面、設定等はすべて作者の創作であります。似たような事件や事例もあるかも知れませんが、あくまでフィクションであります。それに対して書かれた意見は作者の個人的な意見であり、一般的な意見と一致しないかも知れないことを記します。今回もかなり湾曲した発想があるかも知れませんので、よろしくです。また専門知識等はネットにて情報を検索いたしております。呼称等は、敢えて昔の呼び方にしているので、それもご了承ください。(看護婦、婦警等)当時の世相や作者の憤りをあからさまに書いていますが、共感してもらえることだと思い、敢えて書きました。ちなみに世界情勢は、令和6年4月時点のものです。

                 公園の存在

「今時、こんな犯罪があるなんて、まるで、小説かマンガの世界のようではないか?」
 と言われるような事件が起こったのは、秋も深まってきた11月のことであった。
 この年は、いや、この年に限らず最近は、
「夏が長く、秋がない」
 と言われる異常気象のせいなのか、
「11月というと、一気に寒さが押し寄せてくる」
 といってもいいだろう。
 その事件というのは、実に不思議な事件であった。まもなく年末ということで、警察も、
「歳末取り締まり」
 に掛けて、そろそろ本腰を入れる時期といってもいいだろう。
 世の中は、歳末の繁忙期前に、忘年会などはやっておこうということで、繁華街は、年末までは、最盛期ということで、大賑わいである。
 二次会、三次会と、街を歩く人も多く、都会の歓楽街などでは、深夜まで人が、どこから湧いてくるのか分からないが、毎日がお祭りと言った具合で、にぎわっているのだ。
 だから、公園なども、
「酔い覚ましのための人」
 なのか、それとも、
「カップルのたまり場」
 ということなのか、ベンチは結構埋まっていたりするのだ。
 だから、この時期の夜の公園は人通りも多く、逆に、
「何かの犯罪の抑止になる」
 ともいえるだろう。
 ただ、それは、凶悪犯罪においていえることであり、喧嘩などの犯罪に関しては、却って増えるのである。
 だから、警察が取り締まりのためのパトロールに余念がないというのは当たり前のことであり、一般市民も、まるで、
「自粛警察のごとく、無意識のうちに、取り締まりを行っている」
 といえるのではないだろうか?
 最近の街の公園というと、
「街全体の老朽化」
 ということで、ビルの立て直しなどを皮切りに、公園の整備も行われるというところが多いと聞く。
 そういえば、秋口に入るくらいには、公園に規制線のようなものが張られ、立ち入り禁止にして、公園を整備する旨の立て看板を立て、その奥で、整備が行われていた。一か月くらいの期間だったので、公園を絶えず利用している人にとっては、結構長い期間に感じたことであろう。
 しかし、たまにしか使わない人にとっては、それほど長い期間だったという感覚もなく、意識すらしていなかった人も多いことだろう。
 都心部の公園というと、朝は、ジョギングに利用する人、昼は、ランチタイムに、公園の近くまでワゴン車などで出張店舗を構えるお弁当屋さんから弁当を買って、公園でランチを楽しむという人も多いだろう。
「事務所で他の人と食べるなんて、鬱陶しい」
 と思っている人は結構いる。
 特に、男性よりも女性に多いのではないだろうか?
「女性が集まっての井戸端会議など、好きな人は好きだろうが、嫌いな人は徹底的に嫌悪するに違いない」
 ということであった。
 少々大きなビルが、三つ四つ入るくらいの大きさの公園では、
「大きなビルの谷間にある」
 ということで、まわりのビルから見られているということは分かっているが、それでも、嫌ではない。逆に、
「ビルの中でしか行動範囲がない」
 という人がかわいそうに感じるくらいで、冷たい風が吹いていようが、あまり気にならないのであった。
 問題は、雨が降った時であり、そういう意味では、
「冬よりも、梅雨の時期の方が嫌だ」
 ということであった。
 ビルの谷間の公園というのは、比較的、広々と作られていて、土地を贅沢に使っているといってもいい。
 ビル数個が入るだけの敷地に、ベンチは、十数個くらいしかない。隣のベンチまで、十メーター近くはあり、まわりの人に気を遣うということもないだろう。
 もっとも、ビルの谷間の公園でゆっくりしている人は、もう少し隣のベンチが近くても気にならないと思っているようだ。
 というのも、
「皆同じ気持ちで出てきているのだから、声が届くくらいの距離の方が、実はありがたい」
 と思っているようだ。
「友達になれたらいいな」
 と考えている人もいるだろう。
 特に若い男女であれば、
「話しかけたいんだけど、この距離が恨めしい」
 という具合である。
 かといって、いきなり隣に腰かけるような不作法ができるわけはない。
 そんなことをしてしまうと、相手が警戒し、離れていくのは必定だからである。
 隣との距離が適度に近ければ、そこは、自然な出会いであり、何も、問題にすることなどないというものであった。
 それが、今度は夜ともなると、普段は、薄暗い中で、人が寄ってくるということもない。
 少し前であれば、ホームレスがどこからかやってきて、公園をねぐらにしていたということであるが、今はそんなこともない。いつの間にか、ホームレスがいなくなったのは、
「自治体の何かの対策」
 ということなのか、
「街の治安」
 であったり、
「景観」
 という意味ではいいことなのだろう。
 ホームレスの問題であったり、地域ネコの問題などは、自治体にとって、
「解決しなければいけない大きな問題」
 ということで、優先順位としても、かなり高い方だったに違いない。
 特に、繁華街や都心部においての、
「夜の街」
 というのは、今の時代においては、厄介であった。
 特に警察の人手不足という問題もあるだろう。考えてみれば、
「交番というものをほとんど見なくなった」
 といってもいいこの時代、夜のパトロールなどの時間帯は、交番が留守になっていて、その戸締りをしたところの取っ手のところに、
「ただいまパトロール中で不在です」
 と書かれている。
 昔であれば、都会であれば、一つの町内に、複数の交番があった。
 といってもよかったのに、今では、
「半径1キロ以内に、交番はない」
 というくらいで、しかも、そこに常駐しているのは、絶えず3人くらいで回している。
 というほどに、
「深刻な人手不足」
 といってもいいだろう。
 交番というと、
「小さな円筒形の建物の前に、警らのための自転車が置かれていて。その横に立て札として、指名手配犯の写真が入ったポスターが貼られていて、入口の上に、真っ赤な裸電球がついている」
 という印象で、中に入ると、
「表から見るよりも、少し大きめの部屋になっている」
 という感覚であった。
 これは、あくまでも、
「マンガの世界」
 における、昔でいうところの、
「派出所」
 と呼ばれていた時代のものであった。
 制服警官」
 というと、
「警棒に拳銃」
作品名:もろ刃の剣の犯罪 作家名:森本晃次