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ヤマト航海日誌8

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だとか話すのとそっくりなものを聞かされるだけ。んなもん映画じゃねーつーんだよ。セーチョーの『小説帝銀事件』が小説でもなんでもないのと同じだよ。続く『ガッズィラ対ナントカ』も『ガッズィラ対カントカ』もおれはCSが放映したのを初めの15分だけ見て消した。
 
見る価値がまったくないのが丸わかりだったからだ。のだけどああ『-1.0』。ゴジラを白イタチのノロイにし、物語を忠太の冒険にしやがった。それをやったらもう最初の最初から超巨大などんぶりにシャープ大佐の倍のごはんがドカ盛りである。それをこっちは泣きながら食わされる他に道はない。
 
画面に眼は釘付けで一瞬たりとも離せない。そしてオンボロ小船でのゴジラとの対決となるがその後は『ヤマト』の第19話だ。
 
なんちゅうもんを見せてくれるんや。なんちゅうもんを、なんちゅうもんを……『ヤマト』の第19話。あれと比べたらエバゲリの19話など19話やない。何が男の戦いや。電池切れのロボットがパワー4倍になって勝つ。それをやったら続きはリローデッドでレボリューションズになるのがなんでわからんやつばっかりなんや。
 
そんなもんに騙されるやつはバカやとわしは言うんや。ガンバがイタチにやられて死ぬのをシオジがキスしたら生き返り、イタチよりでっかくなって勝ったら感動すんのかお前? 19話ぐらいでそれをやったら続きはどうなると思うてんだよ。
 
ノロイが百に増殖して襲ってきたりするようになるのか。パン屑をひとつちぎると餓えたネズミがみんな腹一杯になったり、海が割れて沖の島まで歩いて渡れちゃったりするようになるのか。
 
最後はシオジも巨大化して8つのおっぱいから8本のビームを出してノロイを倒すと。最終回はそうするんだな。庵野ならそうするだろからリメイクさせろというわけなんだな。バカどもめ。そんなもんはな、カスだ。ゴミだ。見て喜んでじゃねえ。そんなの男の戦いじゃねえ。
 
『ヤマト』の19は違うんだよ! 『-1.0』で街を破壊するゴジラに対して主人公は何もできない。ヤマトの19だからなのだ。忠太のドラマなのだからだ。それを見事な超ドド級のスケールと、間然するところのない脚本と俳優の演技、最高の画作りでもって見せてくれる、これを出されたら生涯のベスト1にするしかなかろう。
 
おれにとってのそれはこれまでずっと『ルパン三世 カリオストロの城』であって、変わることのない不動の1位だとばっかり思ってたんだが、まさかずっとナメきっていたゴジラなんかにやられるとは……というところだがしかし最後に、あの震電にちょっとばかり言いたいことが。あれはおれならこうするというのだけ書いてこの話を終えるとしよう。
 
まず主人公の敷島はテストパイロットで立花はその整備士だったことにする。最初のところで、
 
「相変わらず腕は確かなようだ」
「ずっと試験機を飛ばしていたのがいきなり特攻ですから……立花さんもまさかこんな所にいるとは……」
「事情はお互い同じようなところでしょう」
 
とやっておき、機雷をドカンとやったところで、
 
「やるなあ。ひょっとして撃墜王?」
「いえ、試験飛行士でした。試作機や改良型機を飛ばして試す……だから実戦はしていません」
「え? 実戦経験ないのかよ。なら敷島と俺は同じようなもんか」
「バカ。いちばんの腕利きってことだろ。でなきゃ勤まんねえだろうが」
 
としておく。震電が出てきたところで、
 
「戦闘機あったんですって?」
「ええ。でもかなり特殊なやつで……博物館に置きたいというので壊さずにいたものだとか」
「博物館?」
「終戦間際に何度か飛んだだけだったのを米軍が手を入れテストしたのだけれど、欠陥機と判定されているようです」
「欠陥機?」
「高くまで上昇できないそうなんですよ。B-29を墜とすために作った飛行機だったんだけど、B-29がいるところまで上がっていけない……」
「ははあ」
「エンジンがオーバーヒートするからだそうで、あまり速くも飛べないそうです。時速700出るはずなのがその半分がいいとこだとか」
「350キロですか」
「主な欠陥はそのふたつです。高くまで上がれないのと時速300キロしか出せない」
「B-29を撃ち墜とす……日本の街を護る飛行機だったんですね」
「作った人はそのつもりだったのかもしれませんがね」
「300出せりゃ充分だ」
 
となるのだが、
 
「欠陥はそのふたつですが、別に大きな問題があります。この長い前脚が壊れて引き込めなくなってるそうなんですよ。だいぶ厄介な状態にあって修理は難しいらしい……直すというより引き込み装置を新たに作るくらいの改修が必要だそうで、すぐにできる人間がいるもんなのかどうかもちょっと」
「ひとり心当たりがあります」
 
言って立花を探しにかかる。野田に向かって、
 
「試験機の整備改修をしていた人なんです。あの人ならきっと直せます」
「まあ話はわかりますが」
 
となるのだが、現れた立花に、
 
「脚の引き込みができなくなってる。あなたくらいでなきゃ直せないそうです」
「勝手にやれ。俺が手を貸すわけないだろ」
「直さなくていい」
「あん?」
「飛んだら脚を落として捨てるようにしてください。直すよりは簡単でしょう? あなたならできるはずだ!」
「お前……」
「そして代わりに爆弾をそこに詰めるんです。それもあなたならできますよね? ゴジラの口の中で機雷を爆発させたことが――」
 
そうして前脚の収納部に爆弾を収め、離陸後に脚を捨てる改造がされる。出撃の前に、
 
「実は一応引き込み装置を直せるか見てみたんだが、やはりすぐには無理とわかった。だから望み通りにした」
「これでようやく借りを返せるってわけですね……笑えますね。生きたいようです、俺は……」
「作戦が成功すればお前は死ななくていいんじゃないのか」
「成功する保証はない。保険が必要なんです……これを描いた子供、明子というんです。あいつの未来を守ってやりたい」
「20ミリは効かなかったよ。そういうやつなんだろう? あのとき撃てばお前も死んでいただけだった」
「それは結果論です。俺は撃たなきゃいけなかった」
「いいや、俺が撃ってもよかった」
「え?」
「ずっと考えてきた。俺が撃てばよかったって……では大事なことを言うぞ。これが爆弾の安全装置だ。だが最後の時まで引くな。一度解除したら戻せない。作戦が成功の時は不時着に賭けてみる手があるが、引いたらそれもできなくなる」
「わかりました」
「スロットルは5までしか開けちゃいかんが最後は全開にしろ。そして……」
 
と。つまり敷島がなぜベテランで腕がいいのにマリアナなどに送られなかったかの理由を[機の改良や新型機の開発に必要とされていたから]とするのだ。トップ・エースと同等かそれ以上の凄腕であり震電も操れることにこれでできるし立花もまたトップの整備士とできて、敷島が立花にこだわる理由を野田が納得するように描ける。そしてこれが重要なことだが、最小限のセリフでこれらを観客の誰でもわかるようにできる。
 
作品名:ヤマト航海日誌8 作家名:島田信之