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令和七年随想録

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その2


あとさきになるが、一番戻りたい過去がある。それは小学四年生に母と暮らした兵庫県の鳴尾村のこと。私が行ったときは村だったが一年経って西宮市に合併して鳴尾村という名前は過去のものとなった。

中でも思い出すのはその当時の友達のことだ。
浜甲子園には一年間住んでいて、同じクラスの仲良しさんができて、一緒に下校したときのこと、それは今もはっきり覚えている。

私は小林さんと塚本さんの真ん中で歩いていた。
鳴尾小学校からちんちん電車に乗って終点の浜甲子園で降りてから三人はそれぞれの自宅への道を毎日一緒に歩いて帰った。
塚本さんは家の場所も家庭のことも一切知らなかったがとても良い子で大好きだった。
一方の小林さんとはとても密な関係が長くつづき、母親同士も話をしていたらしい。毎日毎日日曜日を除いて小林さんの家に遊びに行って夕方自宅に戻っていた。
忘れられない友達だった。

作品名:令和七年随想録 作家名:笹峰霧子