㊙ 未知ワールドへ、ようこそ! 第3話 ㊙ 高原料亭
12話 あいこでホイ
どれくらいの時間が経ったでしょうか? 多分1時間くらいでしょうかね、隣室が騒々しい。どうも小太鼓に三味線のようで、歌声も聞こえてきます。
「ウッセイなあ、静かにしてくれ!」と私が怒鳴ると、奈那社長もヤッチンも目を覚まし、「五月蠅いわね」、「やかましいなあ」と声を上げました。
一体隣室で何が起こってるのでしょうか? 私は這いながらも襖へと。そしてそろりと開けてみて、その状況を目にした瞬間、私は大声を張り上げてしまいました。
「何じゃ、これ? オッタマゲー!」
そこで見たものは、コンコン・サピエンスの芸者さんたちが小太鼓を叩き、三味線を弾き、それに合わせて別嬪(べっぴん)のコンコン芸者さんとツユスケが向かい合って大声を発しながら踊ってるじゃありませんか。
その上にですよ、忍者フンワリ君がその周りをいつもソーラン節と違うリズムでフ~ン、ワ~カと4分の2拍子で回ってやがるの。
後ろにいたヤッチンは「なんじゃらほい!」と吐き、奈那社長は知的に「what’s on earth is this?」と、いわゆる訳すとビックリ仰天!
一体何が起こってるのだろうか? 私は心を落ち着かせ、よ~く聴いてみました。すると分かったのです、コンコン芸者さんとツユスケは昭和のお座敷ゲーム・野球拳(やきゅうけん)をしているのだと。
♫ 野球するなら こういう具合にしやしゃんせ ♫ 投げたら こう打って 打ったら こう受けて ランナーになったらエッサッサー ♫ アウト セーフ ヨヨイノヨイ あいこでホイ ♫
作品名:㊙ 未知ワールドへ、ようこそ! 第3話 ㊙ 高原料亭 作家名:鮎風 遊