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㊙ 未知ワールドへ、ようこそ! 第3話 ㊙ 高原料亭

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13話 粗塩の励まし


 これを知った私たちはただただあんぐり口を開けて……、ポッカーン。そしてほぼ1分が経過し、我に返った私たち。まず奈那社長が口を開きました。
「そろそろ帰る時間よ、この辺でお開きにしなさい」とツユスケと忍者フンワリ君に命じました。
 これに1匹のロボットと1匹の宇宙絶滅危惧種は「嫌だ、嫌だ!」と駄々をこねやがるの。こんな態度に奈那さんは「これは業務命令です!」とちょっとお怒りのご様子。
 そこで止めとけば良いのに、ツユスケが「あれ、俺たちは奈那旅行社の従業員じゃありませんよ」ときつく反発。しかし奈那社長はさらりと、「その内働きたいと、頭下げて私のとこへ来るわよ」と。
 こんな言い合い、これはちょっとまずいんじゃないかと私は考え、「まあまあまあ……」と言葉を掛けかけた時、いつの間にか来ていたコンコン女将がツユスケと忍者フンワリ君に向かって仰ったのです。
「野球拳を気に入らはったようどすな、だけどあと5分で一座敷はお仕舞いえ、あんさんたちに『ぶぶ漬けでもどうどす』と……、そないなこと言わせんといておくれやっしゃ」と。
 これに奈那社長もヤッチンも私も、恐(こわ)~! そしてツユスケと忍者フンワリ君、下向いてシュ~ン。
 こんなドタバタの後、私たちは帰り支度を。そしてそれを終えて、奈那社長は女将さんに「今回の私たちの訪問の目的は……」と語り始められたのですが、コンコン女将はその言葉を耳にし、「わかってまっ、すべて『㊙ ビーナスの森』のキンカンガル・デンガナさんから聞いております、同条件でこの㊙ 高原料亭: 真赭(まそほ)の芒(すすき)を『㊙ 未知ワールド』のプラン3として使って頂いてよろしおすえ」と嬉しい回答をもらいました。
 これに社長と他全員が「感謝申し上げます」と頭を下げると、「金太郎飴でなく、心機一転の奈那飴もよろしくね」と女将は確認されました。これにツユスケが「合点承知の助! 僕は露払いの助でやんす」とまたまたこんがらがるようなことを言いやがるの。
 されどもコンコン女将はこんなロボットを扱い慣れているのでしょうね、「蟻ンコが10匹よ」と。これにツユスケは訳分からず、ただただポカーン。
 これにヤッチンが「お前、1千先の技術で造られたA1ロボなのに、分からんとは……、不良品か!」と責めるものだから、シュン。
 この事態を見かねたのか奈那ちゃんが「蟻ンコが10匹は、アリがトウよ、僕ちゃん、もっと勉強しようね」と傷口にさらなる粗塩の励まし。私はこれで暫くおとなしくなるだろうと期待し、実にうれしかったです。