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㊙ 未知ワールドへ、ようこそ! 第3話 ㊙ 高原料亭

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11話 急降下


 こんな事があった広間、窓からは透き通った水をたたえるコンコン池が望める。その美しさに心を落ち着かせ、私たちは着座しました。するとコンコン女将が「本日の料理は高級スッポン鍋です、よろしいですか?」と。
 これに、「えっ、スッポンて、あの亀みたいなヤツ? スッポン、スッポンポンでっか……、食べられるの?」とヤッチンがオロオロとしてます。されど我が美人社長は「あっら~、ご馳走だわ、元気も出るし、よろしくお願いします」と。
 私はこの時初めて知りました、学生時代のお嬢はオムライス一択だったのに、今はゲテモノ趣向に大変身。ひょっとしたら雌狐?
 こんな疑惑の中で、女将は「スッポン鍋、承知しました、お酒は当地の大吟醸・コンコンがお薦めです」と。これに社長はニコニコッとされ、「常温コップ酒でお願いします」、だって。
 これってかなり年季が入ってますよね。私は「社長はオッサンか? あっちゃちゃ~!」と訳のわかない呻き声を上げてしまいました。
 それから手際よく大きな鍋が運ばれ、現れたのです、1時間半ほど前に見送ってくれたコンコン・ジッチャンとチェスで負けた若いのが。二人は白い調理ハッピを着てました。
「女将から急に呼び出され、追っ掛け60年遡って来あんした、私は板長、若いのは弟子です、ただ今よりこの場でスッポン鍋をお作りします」と説明があり、実に手際よく実演。
 それを眺めながら、奈那社長、ヤッチン、私、それとツユスケも忍者フンワリ君も大吟醸の常温コップ酒を『ぐぐぐい~』と。気分は最高!!
 そんな時に「さっ、ホモ・サピエンスの皆の衆、召し上がれ」と。これを受けて一斉に鍋からスッポン肉を摘まみ上げる。実に美味。気持ち悪がってたヤッチンも「ムイ・サブロソー(muy subroso)!」と。
 私が「何じゃ、それ、麻雀か?」と訊くと、横からツユスケが「洋一は知らんのか、スッポン語じゃなくスペイン語の美味しいだよ」と言いながらガツガツと食いやがるの。横の忍者フンワリ君は銀キツネに変身し、素早く口へと。
 しかしながら暫くするとお腹も一杯、酔いも回ってきました。「ああ、美味しかったわ、ごちそうさまでした」と奈那社長が箸を置きました。
 もちろんヤッチンも私も満腹。酒も入り、疲れもあったのでしょう、眠くなって来ました。ツユスケと忍者フンワリ君には「良きに計らえ」と告げ、社長、ヤッチン、そして私は広間でゴロン。そして気持ちの良い眠りへと急降下。