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㊙ 未知ワールドへ、ようこそ! 第3話 ㊙ 高原料亭

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10話 奇妙奇天烈


 やっと心を落ち着かせて、「お連れ様って、どなたですか?」と私が尋ねますと、女将さんはまずはホホホと柔らかく笑われました。その後、「どう表現したら良いのでしょうかね、とにかく部屋の中で……、フワフワと浮かんではりますわ」と。
 しばらく全員沈黙。その後、「宇宙絶滅危惧種の忍者フンワリ君、現時代での我々の位置確認した後に合流するはずだったのに……、60年の時を遡っての現位置確認だぞ、スッゲーなあ、あいつの時空間移動の忍者技!!」と。
 私が大声でこうリスペクトすると、奈那ちゃんもヤッチンも「スンバラシー!」と同意。
 さらにですよ、私たちの1千年先を行くネアンデルタール人の技術で造られたAIロボット・露払いの助までもが珍しく「負けやんした!」と涙目で賞賛の声を発してやがるの。
 こうなると忍者フンワリ君に早く会いたい。私たち長い廊下を小走りで真赭の部屋へと。そして襖(ふすま)を勢いよく開けると……、私の安アパートにいる時のようにただただフンワリ、フンワリと浮かんではりました。
 これを目にした奈那お嬢さまが声を上げられました、「カワイ~イ!」と。
 するとビーナスの森で初めて出会った時のように森の妖精にささっと変身しやがって、後はヒラヒラと羽ばたき奈那ちゃんの肩に停まっちゃうじゃありませんか。これに奈那ちゃんの瞳からポロポロと……、幸せ涙が。
 正直これに私は強い嫉妬を感じました。だけどここはホモ・サピエンスの男の意地、ぐっと堪えて、「忍者フンワリ君、ここで再会出来て嬉しいぞ、お前の時空間移動の技は宇宙で一番だ」と褒めてやりました。
 するとフンワリ君の変身フエアリーはサッと消え、今度は私の肩にいつものフワフワ球体状態で乗っかって来ました、何の躊躇もなく。
 これを見たツユスケ、「おい、フンワリ、気を使いスギ薬局だよ、もっとお気楽に行こうぜ」と放ち、「♫ 男度胸なら五尺のからだ 波に上 チョイ ♫ ヤサエーエンヤーンサーノドッコイショ ♫ ~~~ ♫」と聞き飽きたいつも歌を。
 これにフンワリ君はドッコイショ ♫ ドッコイショ ♫ と調子を合わせ、また天井近くをフンワカ、フンワカと浮かんでやがるの。
 一体こいつらは何なんでしょうね、理解不能的な奇妙奇天烈!