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静岡のとみちゃん
静岡のとみちゃん
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑪信州・富山の旅

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 旧中山道の45番目の宿場の中津川からは、一部重複したR19を走り、46番目の宿場の大井宿に由来する恵那からは再びR257に入った。
 中津川や恵那の昔の佇まいが残る旧宿場町については、今後の「キャンピングカーの旅」で訪れたいと思っている。

 R257に入ってからまもなく、ダム湖の阿木川湖(あぎがわこ)を右手に見ていると、あの大きな噴水と再会した。湖の上の橋を渡ると今度は、湖が左側に見え始めた。ここは「ジル」で、これまでにも走ったことがあり、バイクでも走った道だ。

 このR257に入ると、過去に見た景色が増えてくる。次の岩村もそうだ。
 数日間に渡る旅の帰路で、知っている景色が次第に増えてくると、自宅が次第に近くなってきていることを肌で感じてしまう。一方で、まだまだ知らない景色を見続けたい気持ちも湧いてくる。
 この旅でも、このふたつの思いが葛藤し始めた。いつもそうだ。

 R257が明知鉄道と並んで走ると、まもなく岩村町(いわむらちょう)だ。
 ノスタルジックな昭和の町並みを舞台に、女優の永野芽郁さんが主演したNHKの朝ドラ「半分、あおい。」で、岩村は更に有名になった。
 この岩村城下町のふくろう商店街には1年半前に妻と訪れていて、清酒「女城主」の蔵元の岩村酒造の蔵開きに、偶然に出くわした思い出がある。私は飲めなかったが、妻は幾つかの新酒の味を楽しんでいた。
 この旅で、道の駅「氷見」近くの展望台の上で出会った全国の酒蔵を回っている親子(母・息子)は、ここをまだ知らない感じだった。公共交通機関で東京から来るのはちょっと難しい場所なのだろう。
 色々な思い出のある岩村の商店街をゆっくりと走りながら、R257に戻った。

 岐阜県と愛知県にまたがる三河高原を南下してゆくと、豊田市に至るR153に少し入ったところにある道の駅「どんぐりの里いなぶ」に寄り道した。
 この道の駅には「どんぐりの湯」という温泉が併設されており、先ずは湯に漬かってから、昼食を取ることにした。
 自宅に帰れば風呂に入れるのだが、やはり温泉はいい。手足を伸ばしてゆっくりと入った。幾つかある湯船の中でも、檜(ひのき)風呂が最高だった。
 娘の嫁ぎ先は旧軽井沢に別荘を持っており、ユニットバスを檜づくりにリフォームしていたが、その理由が何となく分かった気がした。

 ここから自宅までのルートは良く知っており、所要時間も大体分かり、旅の最後に立ち寄った温泉ということもあるが、ゆっくりと、ゆったりと、湯に漬かりながら、この旅のことを、もう過去の出来事のように思い出していた。
 温泉のあとは、駅舎のショップに行こうとしたところ、駅舎は建て替え中で、道を挟んだ反対側の仮店舗で営業していた。
 道の駅に立ち寄るのは、その地域の食品や物産を見たいこともあるが、駅舎内の雰囲気を味わうことが好きなためで、今、土産は十分に買っているので、プレハブの仮店舗には入らなかった。次に立ち寄る頃は新装開店になっているだろう。

 最後の昼食は「ジル」のダイネットで、カップ麺の「富山ブラックラーメン」を食べることにした。富山の旅のあとなのでちょうどいい。そして、まだ少し残っていた「子持ちホタルイカの沖漬け」と「鮎の甘露煮」を平らげた。

 道の駅をあとにして、一路、R257で浜松に向かった。その途中に、愛知県最高峰の茶臼山への入口に道の駅「アグリステーションなぐら」があるが、ここには、これまでに何回も立ち寄ったことがあるため、今回はパス。

 そして、山間の設楽町を通過した先に、私の記憶では、なぜこんな場所にコンビニがあるのか思っていた場所の隣に、新しい道の駅「したら」ができていて驚いた。
 その手前には新しいドラッグストアも。設楽町の役場のあるあたりは小さな盆地で、大規模な商業施設用の土地が少ないのだろう。
 道の駅のガイドブックを持っているが、このR257に新しく道の駅ができているとは、つゆ思っていなかったので、事前にチェックすらやっていなかった。

 お洒落れで都会的な駅舎は、完全に周囲から浮いて見えたが、立派な駅舎だ。ショップの品揃えも良かった。今後、R257を走るときは、ここには必ず立ち寄ることに決めた。
 ここの駐車場の横には、古い電車の車両が保管されていた。昔、この辺りで走っていたようで、そのような路線については全く知らなかったので、旅が終わってから少し調べてみることにした。

 ここからは自宅に戻るだけで、知っている道をひたすら安全に走るだけ。
 そういえば今日は、多くのバイクを見た。明日からは台風の影響もあり、今日までがツーリング日和だからか。ここまでの道の駅には多くのバイクが停まっていた。

 そして、16時頃に帰宅した。
 「ジル」に積み込んだものや土産物を全て自宅に運び入れ、ダイネットの空気の入れ替えのために全ての窓を開けて、グレータンク(排水を溜めておくタンク)の水を捨てて、使い切らなかった水も捨てた。
 少し早めに帰宅すると、旅の後片付けを当日内に終わることができるのも良いね。その夜、旅の間で着替えたものを洗濯した。
 あとは妻に、旅のエピソードを少しずつ話すだけだ。

■旅のメモ
 ・2021年9月23日~9月29日(6泊7日)
 ・同行者:なし(ひとり旅)
 ・キャンピングカー:バンテック社のキャブコンの「ジル(Zil)」
 ・走行距離:1,105km
 ・立ち寄った道の駅:22駅
 ・立ち寄った温泉:3ヵ所
 ・旅の費用:35,772円