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ボクとキミのものがたり

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「さてと」ボクは、次の言葉を探していた。
「寒いから、いっしょに居ていい?」
「いいよ。でもシングルだけど いい?」
キミは、頷くけど、(本当に狭いと思うよ)と言いたかった。
「じゃあ、くっついて寝るかな。じゃあもう此処の電気消すよ」
リビングの照明を消し、寝室へと向かうボクの後ろをキミはついてくる。
ベッドに入り込むと、思ったより狭くは感じなかった。ただキミの顔がいつもより近くにあるのが 嬉しい。
「いいよ」キミは、言った。ボクだってその意味くらいすぐにわかった。
「もう少し 取っておこう。今夜は勢いで そうなりたくないから ね」
「嫌い?」
「まさか。とっても好きだよ。大好き」
「じゃあ…」
「じゃあ、ボクの腕枕で寝てよ。一晩中 ボクの腕の中で眠ってよ」
「やっぱり、嫌?」
キミの焦りが、何なのかボクにはわからなかったが、キミがボクに向ける好意は凄く伝わってきた。
「大好きだよ。大好きよりも もっと好きなキミと大切な夜さ。おやすみ」
ボクは、キミの髪をかきあげて、ゆっくりとキスをした。
物語のお姫様にキスをする王子様のように?まさか、ボクはそんな気取ったつもりはない。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
ボクは、キミの肩を抱き寄せながら、目を閉じた。すると、瞼に風を感じて目を開けた。
ふぅー。キミが息を吹きかけたのだった。
「どうしたの? 寝ないの?」
「わたしも 大好き。おやすみなさい」
「おやすみ」
キミが目を閉じたのを見て、ボクも目を閉じた。
やっぱり疲れていたのかな。やがて、キミの呼吸は、寝息にと変わっていった。
たぶん、ボクももうすぐ眠りに入るだろう。

作品名:ボクとキミのものがたり 作家名:甜茶