ボクとキミのものがたり
二人で電車乗る? それとも? 何を食べて帰る? 入れなかった会社の社長…キミのお父さんに会いに行くことになるのだろうか?
ゆらゆら揺らめく気持ちは、水族館の光の反射のように静か…… なのか?
きっと 緊張しながら 久し振りに電車に揺られた所為だ。
僅かな挨拶をして キミをお父さんのもとへ渡して その車の後ろ姿を見送る。
暗い夜道に 赤く灯るテールランプが 数度点滅した。
「それって まさか…?」
再び、電車を待つボクがいる。
たったひとりで、思いだし笑いをした。
たったひとりで、電車に乗った。
こんな素敵な夜に おやすみが言えなかったなんて淋しいなぁと思いながら…
ただそれだけなのに……。
電車は 揺れた。
― Ω ―
作品名:ボクとキミのものがたり 作家名:甜茶