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㊙ 未知ワールドへ、ようこそ! 第2話 ㊙ ビーナスの森

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6話 袋鼠(カンガルー)


 木々をすり抜けた奥に丸太を組み合わせた高床建造物、1階部は風を通すための空間、その上に3層のお城がありました。私たち三人と一匹はトットトットと早足でその前へと。するとそこに『ビーナスの森管理事務所』と表示された案内板がありました。
――< ようこそ! ビーナスの森へと立ち入る御仁は危険を伴いますので、階段を上がってまず受付を。 その後、当方で御案内させてもらいます。 >――
 このように表示されてありました。
 もちろん私たち、ツユスケを先頭に案内板に従い最上階の部屋の前へと。そして重い木製の扉をギギギーと押し込んで室内へと入って行きました。するとカウンターの向こうから一見紳士風な、というか奇妙奇天烈な生物が私たちに向かって歩いて来たのです。
 金ピカのタキシードに高さ30センチはあろうかの高高帽子。そのせいだけではないですが、背丈がヒョロヒョロと高い。その上に顔色は黄金色、そして口が前へと突き出て、背後には床に付くほどの……、多分尻尾かな?
 これを目の当たりにした私たち一同、いえ、ツユスケは除きますが、オシッコ漏らしそうに。それでもこの事態を理解しようと、お主は狐? それとも化け狸、いや袋鼠、つまりカンガルーかなと思考を巡らせました。
 そんなオロオロッとしてる私たちに低くて心地よい声で仰ったのです。
「奈那お嬢さま、わざわざお越し頂き、恐悦至極でござりまする、亡きお父上、金太郎様とは大変ご懇意にさせてもらい、よく金太郎飴を頂きました」と。
これにヤッチンと私は「ここでも出たぞ、足柄山の金太郎、その飴が! チョーオモロー!」と叫んでしまいました。
 それとほぼ同時に、「無礼者!」とヤッチンと私に奈那ちゃんの平手連打がバシッ、バシッ!と。その上尻馬に乗りやがったお調子者・ツユスケから最高強度の金属製の足で、ガキン、ガキンと連発足蹴り。もう骨折れそう!